見出し画像

不安症だってパニック障害だって関係ない『人生はよりよくなるためのチャレンジの連続』 3

これまでのお話し

3.グループ展に参加したい

フルタイムの仕事していると、思ったように機織りに向き合えなくて、どうしたものかと焦りが出てきました。

そんな時ものづくりに携わっているメンバーから、作品を持ち寄るグループ展の話があり、自分を奮い立たす良い機会なのと、アートは見る専門だった私が見てもらう側になれるというワクワク感で参加することに決めました。

トンボ玉、陶芸、手作り雑貨などの作品に混じって私の織物も展示させてもらえると、考えただけで気持ちが高揚してくるチャレンジです。

私はさき織りでバックを作る計画をたてました。

さき織りとは、古い絹織物などの生地を細く裂き、それを横糸にして織り込んだ織物です。


横糸にする裂いた布のイメージ画像


やってみて分かった事が、機織りは経糸(たていと)を機にセットするまでがとても大変。着物の布を織ろうと思うと、細い糸を1,000本前後、筬(おさ)にセットする必要があるのですが(私は着尺は向いていないので、ちょこっと体験しただけでした)、私が作りたいさき織りのバックだと経糸の本数がめちゃくちゃ少なくて済むことも理由の一つでした。

織る時も縦と横の糸を一定のリズムで織る着尺の織り方とは違い、さき織りは横糸に使う裂いた布の材質やさし方など、織る人の感覚で味わいのある織物となります。

また、できた織物の縫製の仕方で、更にデザイン性の高さが加わります。

そんな理由でさき織りのバックを展示することに決定!

参加を決めたからにはやり遂げねばなりません。出品料も払います。へとへとで帰宅しても、夜な夜な機に向かいました。

計画していたバックの個数分織り、縫製好きな従妹の手を借りて完成した袋に、取っ手と個性的なボタンを活用し完成したバック。ギリギリでしたがなんとか完成させ、無事搬入。
私が不在の時、バックをじっと眺めて欲しそうにされていたお客さんがいらっしゃった話を聞いたときは、それまで感じたことがない生まれて初めて感じる喜びでした。

実際に制作展示した作品の一部


グループ展への初参加。
そして私はこの後、さらに人生を大きく変える決断をすることになるのでした。(4につづく)

この頃は、パニック障害からの不安症になり10年近く経っていました。

前の記事でもお伝えしたように、まだ定期的にクリニックに通っていた頃です。私から見ると、ものづくりの仲間は不安もなく自由な事をしているように見えて、自分の病を開示していませんでした。ちょっとコンプレックスでもありました。

でもそれからさらに20年が経った今振り返ると、自分が病気で薬飲んでいたことなどより、思い切って行動した結果だけが、大事な思い出として残っているのです。

そもそもなぜ予期不安でなかなか前に出ることができなかった私が、この頃こんなに行動できていたのか今一度考えてみました。
やっぱり「やりたいことだった」という理由しか浮かんできません。
「やりたかったこと」をできるチャンスがこのタイミングで巡ってきたのです。

そして「居ても立っても居られない」ようなチャレンジのタイミングは、決して特別な事ではなくどなたにも来るし、その時が来たら不安症でもパニック障害でも関係なく、皆さんチャレンジされるとおもいます。だって「そうせずにはいられない」ほどしたいことだから。

それまで焦らず、決して動けない自分を責めず、本当にやりたいことができるのを待ってみるのもいいのではないでしょうか。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?