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流産で亡くした子を想う/猫ちゃん、ごめんね

二本立てで久しぶりにnoteを書きます。
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5月に出産した娘は2カ月になった。
相変わらずお腹が空いた時のぎゃん泣きや、ミルクの吐き戻し(吐くのに飲みたがる)は継続中で大変だけど
「あうー」「きゃきゃっ」と声を出しながら笑ったり、手足を元気に動かしたり、にやっと笑いながら寝入ったりと
愛らしい姿も沢山見せてくれて、また頑張ろうという気持ちにさせてくれる。
 
そんな中先日、流産で亡くした子の供養の案内がお寺から届いた。
命日は2022年7月12日
 
お寺の人に命日は?と聞かれたけど
稽留流産だったのでいつ頃お腹の中で亡くなったのか分からず、とりあえず自分の体から流れた日にした。
永代供養にしてあるので、改めて供養の申し込みはしなかったけど、当時のことを色々と思い出した。
 
名前をつけることも、骨さえ残すこともできなかった。
私に妊娠する喜びを初めて与えてくれた子。
私のせいで亡くなったのかもしれないと自分を責めた。
 
今私の目の前にいる娘が生まれてこれて、あの子が生まれてこれなかった理由は何だろう。
もし生まれていたら、娘のように可愛い赤ちゃんで、毎日愛らしい姿を見せてくれていたのかな。
そして、将来良きお姉ちゃん またはお兄ちゃんとして娘を可愛がってくれていたのかな。 なんて思うと辛くなってきた。
 
悲しみの底にいた私に様々な人が声を掛けてくれた。
私と同じ経験をした人のブログ等を読んだりもした。
「よくあること」「また次授かるよ」という言葉はきつかった。
私は誰にも代われない、「その子」を亡くしたことが悲しいのに
大切な我が子を、まるで亡くなっても仕方のない存在、次が出来れば簡単に忘れられる存在のように扱われたことが悲しかった。
 
実際、5月に娘が生まれても
亡くなった子のことを忘れたことは1日たりともなかった。
むしろ、姿かたちのある娘を見て
「あの子が生きていたらこんな感じだったのかな…」と思うようになり、いっそう辛くなった。
 
でも、これまで私なりに乗り越えてきた。
水子供養の際にいただいた、亡くなった子の魂が宿っているお守りをスマホポーチに入れて、
肌身離さず持ち歩くことで、その子といつも一緒にいられるようにした。
(ちなみにそのスマホポーチには他にも、亡くなった実家の犬の形見や、これまでに撮影した思い出の写真を入れたUSB、母からもらったプレゼント、緊急時に使える現金 etc. 大切なものを入れている)
 
 
そして、亡くなった子の分まで懸命に生きること。
ただ生きるだけでなく、なるべく世の中の役に立つことをすることが、その子の存在価値をより一層高められる気がした。
 
「流産のこと、いつまでも気にしてたら前に進めないよ」と産科の先生に言われたけど
忘れる必要なんてないと思う。
子供はこの世に姿かたちを残すことなく、天国へ召された。私がその子の存在を忘れてしまったら、この世の誰からも愛されなくなってしまうかもしれない。
 
いつまでも忘れないでいてあげることが、亡くなった子への一番の贈り物だ。
将来娘が大きくなったら、亡くなった子の話をするつもりだ。
たとえ両親のエゴで生まれてきたとしても、
健康に生まれてきたことに感謝して、毎日を楽しく生きてほしいから。
 
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出産後、娘のお世話で忙しすぎて飼い猫(以下、ミアちゃん)に触る時間が減ってしまった。
ワンオペになってからは特に。
前よりも甘えたそうにするし、お客さんが来たら以前はすぐに2階に逃げてたのに、今では積極的に出てくる。
寂しいのだと思う。
 
本当は家事も自分の食事・シャワーの時間も犠牲にして
ミアちゃんや、娘と1日中触れ合っていたいけど
そういう訳にもいかないからもどかしい。
 
実は1回だけ、産後にミアちゃんに対し黒い感情を抱いてしまったことがあった。
以前の記事でも説明したが、ミアちゃんは過剰グルーミングで吐いてしまうことがある。
その日は娘のミルクの吐き戻しが多く、終日ぐずっていて大変だったのに
ミアちゃんの嘔吐物の処理もしなければならなかった。
 
どんなに床を掃除しても、綺麗に洗ったベビー服や赤ちゃんの寝室にミアちゃんの毛がついてしまう。
日中は家事をやらないといけないので、目の届くリビングにベビーベッドを置いているが
お手洗い等でちょっと離れる時は、ミアちゃんがベッドに侵入しないよう場所を変えたり蚊帳をかぶせたりしないといけない。
 
ミアちゃんがいなければもっと楽だったのにな…
可愛くないな…
 
と思ってしまった。
すぐに罪悪感に苛まれ、自分は最低な人間だと思った。
でもネットで検索したら
「産後にペットを可愛いと思えなくなった」というママが結構いて驚いた。
でも産後のガルガル期に起こる一時的な現象で、子供を守るための防御反応のようなものらしい。
しばらくするとまた可愛いと思えるようになるとみんな言っていた。
 
そして先週。
夜中に娘が起きたので、キッチンでミルクを作った。
部屋に戻ったら娘は再び寝ていた。
私はすっかり目が覚めてしまったので、眠くなるようにリビングのソファでネトフリを見ていた。
すると、いつも2階で夫と一緒に寝ているミアちゃんがおりてきた。エサを食べて2階に戻るかと思ったら
私の座るソファにやって来た。
私が「おいで」と言うと、私の膝の上に乗って顔をすりすりしてきた。
 
その瞬間、涙が溢れてしまった。やっぱり可愛い。愛おしすぎる。
 
娘が生まれて、みんなの注目が急にそっちに移ってしまって寂しかっただろうに、
娘を攻撃することなく、私達夫婦にも変わらず甘えてくれる。
こんな立派なお姉ちゃんはなかなかいないよ。
 
私自身長女で、妹が生まれた時、すごく寂しい思いをしたのに
同じことをしてしまっていたんだ。
ミアちゃんは前の飼い主の都合で、生まれて間もなく親や兄弟から引き離され、
私達に譲渡され、生まれ育ったアメリカから日本に引っ越してきて
とても不安で寂しかっただろうに。ミアちゃんには私達しかいないのに…
 
「寂しかったね。本当にごめんね。これからはもっと愛するから」とミアちゃんを抱きしめた。
いつも抱きしめたら嫌がって逃げるのに、その時はなぜかじっとしていた。
 
その日から、娘と同じぐらいミアちゃんをいっぱい撫でるようになった。
ミアちゃんを迎えた時どれだけ嬉しかったか。そして約9年間、アメリカと日本で一緒に沢山思い出を作ってきたことをいつまでも忘れないようにしたい。
 
私はミアちゃんも娘も両方大切。これから姉妹として(猫と人間だけど)仲良く一緒に育ってほしい。
そして、娘には動物に優しい子になってほしいと心から願っている。
私は完璧主義だけど、今はミアちゃんと娘の健やかな成長以外に大切なことはない。
家事はもう少し適当にやろう。

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