009.旅行の醍醐味が人か場所か
大多数の人が共感できることを言葉にできたり、大多数の人が感動できるものを表現できたりする人って、人気が出ると思うんだけど、その逆でどう見ても理解できないピカソみたいな絵だって「僕にしかこの絵を理解できない」って観客に思わせてしまえば、人気が出る。だって「魅力がわからない」なんて言いたくないもの。
でも、誰に共感されなくってもさ、自分の言葉で表現できる私達もすごいと思うし、唯一無二だと思う。だから、見たもの感じたものを言葉にして伝えていくことってほんとに必要だなって。
そんな今日は、旅行から見える人間性について書き留める。
先日私は、急に1人になりたくなって1人で沖縄旅行に行ってきた。
旅行の半分は船酔いのせいで、具合が悪かったんだけど、初めて1人旅をして気づいたことがある。
「1人だからこそ好きにできる」
もし、誰かとの旅行だったら、船酔いしてるのに無理に遊ぶはめになったかもしれない。だけど、1人だったからずっとベットで寝ていられた。1人だったから、シーサー作りに3時間もかけることができた。1人だったから、免税店でのショッピングをじっくり楽しんだ。
1人だからこそ、相手を気にせず時間とお金を使える。気遣いをしなくていいから、自分のことを第一に考えられてとても楽。
そこで出会う人達との交流も新鮮だし、1人旅っていいなあって。
「誰かといる良さ」
でも、帰ってきてからふと「誰かといる良さ」にも気づく。
友人が1人旅をした時に「美味しいものを食べても、綺麗な景色を見ても、共感できる人がいなかったのが寂しく感じた」と言っていた。これも一理ある。だが、1人飯や、1人映画、1人美術館に慣れているせいか、私にはこの感覚がまるでなかった。
私が感じたのは「他人の趣味のおもしろさに気付かされることがない」という寂しさだ。どうしても1人旅だと、自分の好きな方に好きな方に動いてしまう。好きなものを食べて、好きなものを買い、好きなものを観に行く。だから、楽しいのは当たり前で、それを超える驚きがない。それに比べて、誰かと旅行に行くときは、相手の趣味に合わせて行動をすることが多々ある。すると、それらが「意外と」おいしかったり、「意外と」楽しかったりする。そういう発見があるからこそ、誰かと行く旅行も楽しい。
1人でいても楽しい人が「あえて」誰かと旅行に行くと、きっと新鮮な楽しさがあると思う。その逆で、1人で旅行に行けないから誰かを誘う。みたいな事をしていると、どんどん人が離れていく。前者は、目的が場所ではなくて人だから、「どこに行くかではなく、誰といくか」を大切にできる人。後者は目的が場所だから「誰と行くかではなく、どこに行くか」を大切にしている人。あなたはどちらの人になりたいですか?
私は、好きな場所に適当に選んだ誰かと行くよりも、好きな人と行く旅行がしたい。