おひつじ座19度 サビアン
魔法の絨毯
(2020年4月13日大幅加筆修正)
バサバサと音が聞こえて、旅人は目を開けました。
頭上には沢山の鳥の飛んでいる足元が見えます。
体を起こすと、青空に浮かぶ雲がゆっくりと移動していきます。
浮遊感を感じます。旅人はまさかと思いましたが、鳥たちと一緒に空を飛んでいるようです。
遠くから足先に目線を落とすと、旅人は敷物の上に乗っていることに気づき、旅人は感触を指で確かめて、立ち上がると端の方まで歩いてみました。
落ちると怖いので腹ばいになって、厚みを確かめて、また立ち上がって、確信しました。
「魔法の絨毯だ!」
旅人はストンと絨毯の真ん中にあぐら座りになります。
「どこに向かっているんだろう?
行先を言えば、自分の行きたいどこかに行けるのかな?
それならあっちの山の方行ってみたいな。」
旅人が行きたいと考え着いたところへ魔法の絨毯は、ビュンと連れて行ってくれます。方向転換した絨毯に上に飛ぶ鳥も付いてきます。
「太陽から日よけになってくれてるのか。」
旅人は気づきます。
「うわ~、快適だなあ。ひょーっ、きれい。山の上の方ってこんな風になっているのか。」
魔法の絨毯は旅人が見たかった山をぐるっと一回りして、少し近づいて行ってくれました。
旅人は、俯瞰の視点から世界をとらえ直すと、新しい発見があるなあ、と心躍らせながら思いました。