おひつじ座18度 サビアン
空っぽのハンモック
空は暮れてしまって、空気はすっかり夜に変わっていました。
旅人は、ランプに火を灯して、寝床を作るのに適した場所を探しながら公園を歩いていました。
もちろんこの公園で蛇が出たことは忘れていないようで、少し慎重になっています。
ちょうどいい距離の2本の木の幹を見つけた旅人は、ハンモックを括り付けて、結び目の強度と張り具合を確認しました。
それから食事を取りながら、ぶらさがっているハンモックを、上出来な寝床だと、しげしげ見つめます。
また蛇が出る心配もあるし、さっき遭遇したご婦人方は怖くて緊張したし、まだこの旅に不安もあるけれど、一旦休んでから考えよう、とりあえず難しく考え過ぎるのは止めることにしよう、と思いました。
旅人は明かりを吹き消してハンモックに入り込むと、すてきな夢が見れますようにとゆっくり瞼を閉じました。