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「社長としての覚悟を持ち会社を守り続ける」:株式会社ミノル 寺田社長インタビュー①
こんにちは。
今回は、株式会社ミノルの寺田社長にお話を伺いました。
15歳の頃から板金業界に携わり、今年で42年目になる寺田社長。
これまでのご経歴や経営者としての喜びと苦労などをお聞きしました。
ぜひ最後までご覧ください!
板金業界一筋の歩み
ーまずは、これまでのご経歴を教えてください。
中学を卒業した1週間後には、京都の板金会社で働き始めました。
その会社は義理の叔父が経営しており、私の父や父の兄もそこで働いていました。
身内だからこそ求められるものが多く、給料はなかなか上がらない。
そうした状況から20歳で退職を決断しました。
ちょうどそのタイミングで父が独立を決意し、「一緒にやらないか」と声をかけてくれたんです。
「うまくいくかはわからないぞ」と言われましたが、若かったので失敗しても取り返せるだろうと思い、一緒に会社を始めることにしました。
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ーどのタイミングで社長に就任されましたか?
父が病気で亡くなる少し前、33歳の時に就任しました。
いわゆる2代目ではありますが、創業当初から関わってきたため、一般的な2代目とは少し意味合いが異なると思います。
父が亡くなってから数年後、有限会社から株式会社へと体制を整え、現在の「株式会社ミノル」として新たなスタートを切りました。
ー会社を継ぐことに不安はありましたか?
不安は一切ありませんでした。
父と二人で、ゼロから会社をスタートさせた経験があったからです。
現場での作業から営業、配達まですべてを自分たちで行い、少しずつ社員が増えていく中で指導や教育も経験してきました。
社員が増えることで、段々と仕事を任せる立場にもなり、最後の責任は自分が負うことになります。
その責任感を持ちながらやってきたので、社長になったときも特別なプレッシャーはありませんでした。
目新しさを感じたのは資金繰りぐらいです。
しかし、「仕事さえ真面目にやれば売上は必ず上がる」という自信があり、現場がスムーズに回れば結果もついてくると確信していましたね。
すべての経験を糧に
ー経営をする中で嬉しかったことは何ですか?
心に残っているのは、私が35歳ごろのことです。
父が亡くなって数年が経ち、私と部長、その下に2人の計4人で上層部として会社を支えていました。
その年末、会社として賞与をしっかり出すことができたのですが、それに対して社員たちが思いもよらないサプライズを用意してくれたんです。
「いつも頑張ってくれているお礼に」と、社員全員がお金を出し合い、私たち上層部に1泊2日の温泉旅行をプレゼントしてくれました。
行き先は、城崎温泉の西村屋ホテル招月庭。
ちょうどカニのシーズンで、豪華なフルコースに素晴らしい部屋を用意してくれていました。
社員たちは「この2日間は仕事のことを忘れて、温泉でゆっくりしてください」と言ってくれて、その言葉だけでも本当に嬉しかったです。
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ー逆に苦労したことはありましたか?
リストラを決断しなければならなかった時が一番苦しかったです。
会社の経営が厳しくなり、銀行や税理士さんと話し合う中で「リストラは避けられない」と言われました。
会社を守るために、やむを得ず社員を減らさなければいけない状況でした。
残ってもらう社員を選び、辞めてもらう社員を選定する。
その判断を自分が下し、さらに直接頭を下げてその事実を伝えなければならない。
自分の力不足を痛感し、経営者としても個人としても、本当に辛い経験でした。
ーその出来事をどのように乗り越えましたか?
経営者として、「このような試練も経験の一つ」として受け止めるようにしました。
時代が移り変わる中で会社を守るためには、こうした経験を避けられない場合もあると学んだんです。
過去にとらわれるのではなく、反省すべき点は受け止め、前に進むことが大切だと思っています。
最後に
会社の創業から携わり、厳しい経験をされながら社長として責任感と自信を持たれている寺田社長。
社員から旅行のプレゼントがあったというお話がとても素敵で、寺田社長が社員から信頼され、親しまれていることが伝わってきました。
次回のインタビューでは、株式会社ミノルに向いている人物像や会社のビジョンについて語っていただきます!
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