あの日のこと④
彼はポケットからタバコを出して吸い始めた。
火を付ける角度、横顔、吸って吐く仕草。
全部かっこよかった。
酔いの回っている私は思ったことをそのまま口にだす。
「タバコは卑怯だわ。」
「ん?」
煙をくゆらせながら酔って潤んだ可愛い目で私を見る。
「かっこよすぎる…」
不意打ちすぎたのか、吹き出すように笑う彼。
それからは、照れながら「かっこいい」を意識した様子でわざとらしく吸っていた。
私はきっとデレデレしてたと思う。
グラスを両手で持ち、デレデレニヤニヤ彼を見ていた。
最高に幸せだった。
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