飲みかけのラムネ瓶に反射るきみの赤いスカートは、僕の目を奪う。

ぼくが見ているそれは幻影のはずなのに、呑まれてきみの赤に染まってしまいそうだ。

きみの色に染まる。

それがもしも望まない幸せならば。

耳を劈くような電車の悲鳴と踏切の音も僕には聞こえない。

光り輝く球体を見つめ、静かにラムネを飲み干し、僕はきみを殺した。





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