第4回カレリア語【リッヴィ方言】 独学記録 - olla動詞の否定形
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カレリア語のうち、リッヴィ方言(オロネツ方言)を学ぶページです。
方言分類に関してはこちらの記事をご参照ください。
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OLLA-VERVIN KIELTOMUOTO / olla動詞の否定形
前回は「~です、~いる、ある」という意味をもつ動詞olla について学びました。今回学ぶのは、その否定形です。
カレリア語の現在・否定形は、「否定動詞」と呼ばれるものと、動詞の「現在語幹」と呼ばれる形を組み合わせてつくります。
否定動詞は、各人称形に対応する形が決まっています。ただし、3人称は単数も複数も同じ否定動詞(ei)を使います。
そのため、単数/複数を区別するために、3人称複数では語幹ではなく動詞の不定詞(辞書形)を組み合わせます。
人称代名詞、指示代名詞に対応する動詞ollaの現在・否定形は以下のとおり。
例文
(Minä) en ole Mikko. 私はミッコではありません。
(Minä) en ole karjalaine. 私はカレリア人ではありません。
(Sinä) et ole Emma. あなたはエンマではありません。
(Sinä) et ole naine. あなたは女性ではありません。
Häi ei ole Heikki. 彼はヘイッキではありません。
Häi ei ole mies. 彼は男性ではありません。
(Myö) emmo ole Karjalas. 私たちはカレリアにいません。
(Työ) etto ole Ven'al. あなたたちはロシアにいません。
Hyö ei olla Suomes. 彼らはフィンランドにいません。
Tämä ei ole kirju. これは本ではありません。
Tai ei ole piirdin. あれはペンではありません。
Se ei ole sumku. / Neče ei ole sumku. それはカバンではありません。
応用
Terveh! Minä olen Hanako. Olen naine, en ole mies.
Olen japounielaine, en ole karjalaine.
Olen nygöi Japounies, en ole Karjalas.
Olen sekretari, en ole opastai.
[日本語訳]
こんにちは!私は花子です。私は女性で、男性ではありません。
私は日本人で、カレリア人ではありません。
私は今日本にいて、カレリアにはいません。
私は秘書で、教師ではありません。
学習後のつぶやき
否定形に関しては、ヴィエナ方言とさほどの差はありません。強いていえば、myö、työに対する否定動詞の母音が異なる程度です。とはいえ、この母音が微妙に違う、というのは結構違和感を感じてしまうのですが。
次回は母音調和に関するお話です。
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