KARJALAN RAHVAHAN SUARNAT(カレリア民話)もくじ
カレリア語でカレリア民話を読んで、紹介していくことにします。
カレリアの民話
カレリアにおいて「物語る」ことは、決して長い夜を過ごすための娯楽であるだけではありません。例えば1月6日~19日、クリスマスから洗礼祭までの魔力が高まる期間には、悪いものから自分と家を守るために様々な禁忌や義務がありました。そのうちの一つが「朝にはなぞなぞを作り、夜にはおとぎ話を語る」というものです。
引用:OGNEVA, Ol'ga - KONKKA, Aleksi, 2013, Pyhät da arret : Karjalaine rahvahankalendar (Праздники и будни: Карельский народный календарь) , Verso, p.41
紹介する民話の出典は、主に1900年前半頃までのフィールドワーク成果物の記録や、それを出版したもの(著作権切れ)など。できるだけ、語り手が話したままを記録した資料を選んでいるため、ときどきつじつまの合わない点も出てきますが、市井の人々が語る言葉の妙を感じてもらえれば嬉しいです。
このページには訳を終えたお話のタイトルに各話へのリンクをつけて、目次のようにまとめていきます。
KARJALAN RAHVAHAN SUARNAT
カレリア民話 もくじ
[随時更新]
1.キツネとくま(REPO TA KONTIE)
2.ものぐさ娘(LAISKA TYTÄR)
3.リスとミトンと針のお話(ORAVA, KINNAŠ TA NIEKLA)
4.大食いチュリのお話(ČULISTARINA)
5. 雄牛のお話(HÄRÄN STARINA)
6. 糸車のお話(KUOŠALISTARINA)
7. 黒いカモ(MUŠTA ŠORŠA)
8. またたび城のお姫さま(KIŠŠALAN LINNAN PRINŠEŠŠA)
9. おじいさん、おばあさんとリス(UKKO, AKKA TA ORAVA)
10. おじいさん、おばあさんと、ヤギとヒツジ(UKKO, AKKA, KOZA DA BOKKO)
11. ひき臼のお話(JAUHINKIVI)
12. 皇帝の語り部(ČUARIN STARINANŠANOJA)
13. 青い親指の母娘(SINIPEIGALON STARINA)
14. ものぐさな妻(LAISKA AKKA)
15. 白樺ぞうり(VIRZUINE)
16. マリナのお話(MARINAN STARINA)
17. ヒツジと娘(BOKKO DA TYTTÖ)
18. 麗しのナスト(KAUNIS NASTOI)
19. 青いトナカイ(SINIPETRA)
20. 黒いヒツジ(MUŠTA LAMMAŠ)
21. ばあさんと鍋(AKKA I KATTILA)
22. おんどりとめんどり(KUKKO DA KANA)
23. 小鳥(LINTUNI)
24. 穀粒から鶏へ…(JYVÄSTÄ KUKKO...)
25. おじいさんの娘とシュオヤタルの娘(UKON TYTÄR DA SYÖTÄRIN AKAN TYTÄR)
26. クマ、オオカミ、キツネの刈入れ(KONTIE, HUKKA TA REPO HUUHAN LEIKKUUŠŠA)
27. なまくら娘ハティッコのお話(HÄTIKKÖ-TYTTÄREN STARINA)
28. お金の入ったお財布(RAHALOMPŠA)
29. ライ麦の穂(RUKEHEN TÄHKÄ)
30. すすり泣くお腹(VAČČA ITKÖY)
31. 貧しい弟と金持ちの兄(KÖYHÄ VELLI TA POHATTA VELLI)
32. 人を引き込む湖(OTTAJA JÄRVI)
33. おじいさんとおばあさんのお話(UKON TA AKAN STARINA)
34. 父からの遺産(PERINTÖ)
35. 生まれてきた娘とシュオヤタル婆(TYTÄR LAPSI DA TARANKAZEN AKKA)
36. 愚か者のお話(HUPAKOH STARINA)
37. ツルと行き遅れの婆さん(KURKI TA VANHAPIIKA)
38. 小鳥たちの予言(LINTUSIEN ENNUŠŠUŠ)
39. カブ畑のじいさんと悪魔(UKKO TA PIESSA NAKRISMUALLA)
40. 主夫のじいさん(UKKO KOTIMIEHENÄ)
41. 皇帝の宴(ČAARIN BAALU)
42. カモメ(KAJAI)
43. 9人兄弟の妹(YHEKŠÄN VELLEN ČlKKO)
44. キンナス村の人々(KINDAHAN RAHVAS)
なお、主にヴィエナ方言を勉強していることから、しばらくは北部地方から採取されたお話がメインとなります。
日本語で読めるカレリア民話
日本でのカレリア民話の出版はごく限られています。さらにロシア民話集の中に含まれていたり、あるいは「フィンランド民話」として紹介されている例もあり探し出すのはなかなかに難しいのですが、採取地まで細かく見ながら意識的に探すとちらほらと見つけることができいます。
数多くはありませんが、ご興味ある方はぜひご参照の上、図書館等で借りてみてください。
・「ラング世界童話全集(ラング童話集)」
東京創元社, 1958-1959
ポプラ社, 1963
偕成社文庫, 1977-1978/2008-2009(改訂版)
東京創元社, 2008-2009(新版)
「くじゃく色の童話集」
└『海に塩のできたわけ』(北ヨーロッパの物語として紹介)
「さくらいろの童話集」
└『ふしぎなかばの木』(ロシア カレリア地方)
・「かぎのない箱 -フィンランドのたのしいお話」, ボウマン/ビアンコ編, 瀬田貞二訳, 1963, 岩波書店
└『かじやセッポのよめもらい』
・「子どもに聞かせる世界の民話」, 矢崎源九郎 編, 1970, 実業之日本社
└『美しい妹と九人のにいさん』
・「フィンランドの昔話 民俗民芸双書60」, P.ラウスマー, 臼田甚五郎監修, 日本フィンランド文学協会訳, 1971, 岩崎美術社
└『夕焼け・真夜中・夜明け』
└『教会の皇女』
└『妹に似た嫁』
└『少女になった鳥』
└『魚釣少年』
└『シニペウカロ家』
└『青い海の美女』
└『鼠と四十雀の戦争』
└『ローソクよ、火を灯せ!』
└『商人の息子』
└『不運な男』
└『貧乏男の幸福神』
└『悪魔とマッティ』
└『青年盗賊』
└『金持の兄と貧しい弟の裁判』
└『苔売り息子』
└『メーン、ヒヒヒーン』
└『牧師の一週間』
└『なぜ湖の底に土があるのか』
・「北方圏 (20号)」, 北方圏情報センター, 1977
└『北方圏の民話と伝説 カレリアの民話:陽気なマッチ』 杉本侃 訳
・「グラフィックカラー 世界の民話1 北ヨーロッパ」, 鄭仁和/高橋静男 他編訳, 1979, 研秀出版
└『水の乙女』
・「ソビエトの民話集4 ロシア・シベリアの民話」, R.バブロヤン/M.シュームスカヤ編, 伊集院俊隆編, 1986, 新読書社
└『ふしぎな石うす』
・「フィンランド・ノルウェーのむかし話」, 坂井玲子/山内清子 編訳, 1990, 偕成社
└『森の神 タピオ』
・「世界昔ばなし(上)ヨーロッパ」, 日本民話の会, 1991, 講談社
└『不思議なひきうす』
・『ねずみの王女 世界みんわ絵本 ロシア・カレリア』, 斎藤君子文, 1992, ほるぷ出版
・「新装版 世界の民話〈3〉北欧」, 小澤俊夫編, 櫛田照男訳, 1999, ぎょうせい
└『魔法の馬』
└『神の助けがなければ、お金があっても金持ちにはなれない』
└『まぬけな悪魔』
└『ばかな妻』
└『魔法の指輪』
└『カンテレひきの若者』
└『悪魔はどうやって魂を捕らえるか』
└『マルティ』
└『なんでもくっついてしまう赤い羊』
└『生きているカンテレ』
・「新編世界むかし話集3 北欧・バルト編」, 山室静著, 1977, 社会思想社
└『七人兄弟』
└『カンテレのひき手』
└『神が助けなければ金があっても豊かにはならない』
・「子どもに語る 北欧の昔話」, 福井信子/湯沢朱実編訳, 2001, こぐま社
└『りすとてぶくろと針』
・「フィンランド国民をつくった教育読本 我らが祖国の書」,ザカリアス・トペリウス著, 藤井 かおり訳, 2019, 彩流社
└『リッポとタピオ』
※タイトル画像:Eric O.W. Ehrström(1881-1934)