カービィのエアライドはハンター試験である

ピンクの悪魔

カービィ。

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この丸いキャラクターは1992年に世に出たようだ。

自分は幼稚園か小学校低学年のころにGBの初代を買ってもらった記憶がある。

(歳がバレる)

それから28年? くらいたち、もうすっかり任天堂ファミリーの人気者である。

そんなカービィのゲームについてはどうだろうか?

マリオやリンクが2Dを飛び出し3D画面を飛び回るのに対し、

カービィはいつまでも2D画面を上下左右に動いている印象がある。

そもそも初心者向けというポジションから始まったシリーズでもあり、

あまり冒険しないのかな~と思ったりするが…、しかし。

カービィは派生ゲームが多い。

そして派生ゲームではエンジニアの実験魂に思う様流されているぞ。

数あるスピンオフものの中でも一番大作と呼べるのが「カービィのエアライド」だ。

初代やスーパーデラックスのディレクターだった桜井政博氏も関わっているぞ。

ちなみに他のスピンオフ、カービィボールやコロコロカービィなどもなかなか味があるゲームだ。

が、今回はエアライド主体で行くので省かせてもらう。


その独特な操作体系


カービィのエアライドは、基本的にレースゲーではあるが、

なにげに説明が難しいゲームである。

まず第一に、桜井ゲーの特徴として、「ややこしいボタン操作をなるべく廃する」というのがある。

例えば初代カービィの特徴、「食べた相手を吐き出して攻撃」を見てみよう。

相手を吸い込んで食べるのがボタン1、吐き出して攻撃するのがボタン2…と作ってしまいそうだが、

吸い込み/吐き出しに同じボタンを割り振ることで覚えやすくしている。

カービィのエアライドはエアライドマシンに乗って移動するのだが、

エアライドマシンの操作はかなり単純。

まず、何も押さなければマシンは勝手にアクセルを踏んでいる状態になる。

減速したいカーブなどでAボタンを押す。このAボタンがブレーキの役割を果たす。

レースゲー疎いもので分からないのだが、アクセルを自動にしてブレーキを手動にするというのはコペルニクス的転回な気がする。

さらにAボタンには効果があり、ブレーキ中はパワーが溜まりブレーキを開放すると加速するのだ。

この操作体系で一番理想的なのは、

- 直線で何も押さない
- カーブでブレーキをかけ、安全に曲がる
- カーブ終わりでブレーキを外し、加速しながら次の直線へ

という流れだろう。

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そしてコースはだいたいそんな感じに作ってある。

ややこしいボタン操作をシンプルにして、その結果できた操作体系にフィットしたコースを作る。

これがうまく回れば、成功は約束されたようなものだ。

街に出よう

が、エアライドの凄さはむしろ、レースよりシティトライアルにある。

これは「シティ」というステージを自由に走行し、落ちてたり箱の中に入ってたりするアイテムを拾い自機を強化するモードである。

ダイナブレイドが飛来したり、火事になったりといったイベントも発生し、

うまく行けば大量の強化アイテムがもらえる。

強化アイテムは「トップスピード」「加速」「攻撃力」「飛行」などがあり、

ある程度アイテムが集まったころ(10分だっけ?)、シティから舞台を移すことになる。

すごいのは、新たな舞台がレース場とは限らない点だ。

レースで戦うこともあるのだが、

高跳び、幅跳び、雑魚キャラを制限時間に倒した回数、巨大デデデ大王への与ダメージ…などなど、

多種多様な決勝戦が繰り広げられる。

レースのみなら、トップスピードと加速を取っていれば勝てるであろう。

しかしジャンプ系競技だったら、飛行は大事になるし、

戦闘が混じる競技は攻撃力が重要だ。

「重さ」あたりはじゃまになる競技とならない競技の差が激しい。

勝敗はたゆたってて当たり前

これって運ゲーじゃね? とは思う。確かに思うが、

その時々でベストを尽くしていればいいところまでは行けるバランスである。

ここで読者にはハンター試験を思い出していただきたい。

管理するハンターの気まぐれで状況が変わる(試験官がすしでお腹いっぱいになったり)、

それは運だが、その中でもイケるやつは考えを巡らせて勝機を掴んでいたのである。

シティトライアルにおいても、過剰に運要素に振り回されることなく、機体をバランス良くパワーアップさせていればまあ勝つバランスである。

桜井氏の大ヒット作スマブラシリーズでも、アイテムが競技性を損ねるとかいやあったほうがいいとかいろいろ言われているが、

偶然の中でうまく勝利に近づくメンタルセットを持てるか、が問われているのではないかと思う。

人生で大切なことは、だいたいカービィに学んだ。

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