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スイーツを食べた時のケアは?体への負担を最小限にする方法

前回の記事「〖食べながら我慢する〗実践スイーツとの付き合い方」で、お菓子を食べる頻度の減らし方、食べる量の減らし方、食べるものを工夫する方法をご紹介しました。

でも、頻度を減らして少なめの量を質にもこだわって食べても、少なからず体に負担をかけるのがお菓子の悲しいところ、アフターケアが大切です。

そこで今回は、食べた時のケアについて、体への負担を少しでも減らす方法をお伝えいたします。

1.ビタミンを摂る

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1-1.ビタミンが必要な理由

一.お菓子を代謝するため

お菓子由来の大量の糖質と脂質、これを代謝するにはたくさんのビタミンが必要です。この中でも、特に糖質や脂質の代謝に関わり、加えて不足しやすいビタミンがB1B2ビタミンB1は主に糖質の代謝に関わり、ビタミンB2は糖質と脂質両方の代謝に関わります。
糖質や脂質が代謝されずに血中に残る状態が続くと、血液ドロドロや、その先にある動脈硬化の原因になります(後述)。しっかり代謝することが大切です。

二.お菓子の代謝により不足するビタミンを補うため

糖質や脂質の代謝に大量のビタミンB2が使われると、需要と供給のバランスが崩れて不足します。
ビタミンB2は、糖質や脂質の代謝の他にも、成長の促進や、皮膚や粘膜の保護と再生に関わっているため、不足すると、慢性湿疹や脂漏性湿疹、口角炎、口唇炎、ニキビ、結膜炎などを引き起こします。お菓子の食べ過ぎが肌荒れに繋がるのは、この辺にも理由があります。

三.お菓子による"酸化ストレス"を軽減するため

血管内に糖質が大量にある高血糖の状態が続くと"酸化ストレス"が亢進します。
酸化ストレスは、タンパク質を壊したり酵素の働きを悪くしたりし、よく「細胞のサビ」と言われます。この酸化ストレスは、脂質の代謝を遅くすることもわかっており、その結果、小さな脂質の粒子が血管の壁に入り込んで膨らみを作ります。これが動脈硬化の原因となります。(かなり省略して書かせていただきました。ちゃんと知りたい方は【参考】のリンク先をご覧ください。)
糖尿病やその予防では、これを防ぐために抗酸化の作用をもつビタミンCやEの摂取が推奨されています。これを私たちも応用しましょう。

1-2.それぞれのビタミンが多く含まれている食べ物

ビタミンB1を多く含む食材・・・豚肉、ごま、大豆、えだまめ、うなぎ、イクラなど。また、ビタミンB1は米ぬかにも多く含まれています。野菜をぬか漬けにすると、米ぬかに含まれるビタミンB1が野菜の中へ浸透します。私もぬか漬けを作っています。

ビタミンB2を多く含む食材・・・レバー、卵、イワシ、うなぎ、モロヘイヤ、しそ、アーモンド、納豆など。

ビタミンCを多く含む食材・・・赤ピーマン、黄ピーマン、キウイ、柿、いちご、さつまいもなど。私は「塵も積もれば山となる」で、冷蔵庫に100%レモン果汁を常備しています。お料理の味付けに使ったり、飲み物に少し入れたり、使いどころは様々でなかなか便利です。

ビタミンEを多く含む食材・・・オリーブオイル、アーモンド、ほうれん草、にら、トマト、サンマ、サバ、うなぎ、卵など。アーモンドはビタミンB2も含み、おやつの代わりになるので冷蔵庫に常備しています。(食べ過ぎは肥満の原因になるので注意です)

1-3.お菓子を食べてもご飯を抜かないこと

おやつを食べた後のケアとして、4つのビタミンをご紹介いたしました。
時々聞くのが、「スイーツでお腹いっぱいだから晩ごはんを抜いた」や「朝ごはんはクリームたっぷりのパンケーキ」などなど。これは問題です。これでは、絶対にビタミンは不足しています。
お菓子でお腹を膨らせるようなことをせず、お菓子を食べた日はちゃんとバランスの良い食事も摂りましょう。

(もちろん、お菓子を食べる食べないに関わらず、普段から全ての栄養素をバランスよく摂ることが一番大切です。)

2.食後に軽い運動をする

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2-1.運動が必要な理由

先ほど、高血糖が続くと酸化ストレスが亢進し、血液ドロドロ、動脈硬化に繋がるとご説明しました。運動には、血液中の糖の細胞への取り込みを促し、食後の血糖値を低下させる効果があります。これを「運動の急性効果」といいます。

また、余った糖質がタンパク質とくっついて細胞を劣化させることを「糖化」といいます。高血糖が長く続くほど、糖化反応が進みます。「糖化」が進むと、肌にくすみが生じ、弾力性やハリが失われ、肌にキメがなくなります。こちらは「細胞のコゲ」と呼ばれていますね。また、糖化ストレスと不妊症の関連も報告されており、妊活中の方は特に気をつけていただきたいです。

2-2.いつ・どれだけの運動をするか

おすすめは、食後30分~1時間後に軽い運動(有酸素運動)を15分~20分ほどすることです。
食後血糖値が最も高くなる30分~1時間に運動をすることで血糖値を下げることができます。この時、強度が高すぎると逆に高血糖になることもあるため、軽い有酸素運動がおすすめです。

(最近、運動をする時間に関して、食後すぐの方が良いとする研究結果も出てきましたが、「食後に軽い運動をした方が良い」というのは変わりません。)

3.睡眠をしっかりとる

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3-1.睡眠で体のリセットを

その日に受けたストレスのリセットや細胞の修復は、寝ている間に行われます。睡眠中に分泌が高まるホルモン、成長ホルモンには、傷ついた細胞の修復を促す、脂肪を分解する、血糖値を下げるなどの働きの他に、前述の糖化ストレスや酸化ストレスを下げる効果もあることがわかっています。
お菓子による体への負担を翌日以降に持ち越さないためには、睡眠をしっかりとることが大切です。

3-2.早く寝ることが大切

東洋医学では、子の刻(午後11時~午前1時)は気血陰陽の転換期で、体をリセットしてバランスを整える上で最も大切な時間帯とされています。
中国には、「寧舎一頓飯,不舎子時眠(意味:子の刻の睡眠を捨てるくらいなら、1度の食事を諦めた方が良い)」ということわざがあるくらいです。

また、「子午流注(しごるちゅう):五臓六腑それぞれにその臓腑の働きが活発になる時間帯がある」という考え方もあります。全身の血を集めて貯蔵し解毒する機能を担う臓腑 ”肝(かん)” の時間帯は午前1時~午前3時。この時間帯は”肝”が解毒に集中できるように熟睡していたいです。

まとめると、理想は午後11時~午前3時に熟睡していることです。とはいっても、現代社会では午後11時に熟睡していることはなかなか難しいので、せめて日付が変わるまでにお布団に入っていただけたらと思います。

まとめ

前回(〖食べながら我慢する〗実践スイーツとの付き合い方)に続いて、今回は、お菓子を食べた時のケアについて、ビタミンを摂ること、食後に運動すること、しっかり睡眠をとることをご説明しました。アフターケアにも気を配ることで、お菓子による体への負担を減らすことができます。

お菓子が体に良くないのはどう転んでも変わらない現実で、制限なくケアもせず食べ続けていると、いづれそのツケは体の悩みとなって返ってきます。

お菓子と末永く楽しく付き合っていくためにも、上手に食べて上手にケアしましょう。

【参考】
1) 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
2) ビタミンについての解説 国立健康・栄養研究所 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/index32.html
3) 中神 朋子・岩本 安彦 (2012). 食後高血糖, 食後脂質異常症が動脈硬化に及ぼす影響-疫学研究をもとに- 東京女子医科大学雑誌, 81, E100-E104.
4) 水流添 覚・西川 武志・荒木 栄一 (2006). 酸化ストレスとインスリン抵抗性 糖尿病, 48, 817-819.
5) 佐々木 修二・井口 登與志酸 (2005). 酸化ストレスと血管内皮障害 糖尿病, 49, 845-848.
6) 用語解説 酸化ストレス/活性酸素種(ROS)とは? 日本老化制御研究所 https://www.jaica.com/guidance_oxidative_stress/
7) 活性酸素と酸化ストレス 厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html
8) 糖尿病の運動のはなし 糖尿病情報センター http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/040/03.html
9) 井垣 誠(2016). 糖尿病に対する運動療法の最前線, 理学療法学, 43, 508-513.
10) Masayuki Yagi, Yoshikazu Yonei (2019). Glycative stress and anti-aging: 11. Glycative stress and infertility Glycative Stress Research, 6, 064-067.
11) Wakako Takabe, Riko Mitsuhashi, Lanny Parengkuan, Masayuki Yagi, Yoshikazu Yonei (2016). Cleaving effect of melatonin on crosslinks in advanced glycation end products Glycative Stress Research, 3, 38-43.
12) 成人の成長ホルモン分泌不全症について ファイザー株式会社 https://ghw.pfizer.co.jp/adult/adult/index.html

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