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〖食べながら我慢する〗実践スイーツとの付き合い方

食養生を薦める漢方薬剤師として、普段から「お菓子は控えてください。」とお伝えしていますが、実はお菓子が大好きです。東京で働いていた時代には東京のマダムから「スイーツ番長」と呼ばれていました。
でも、毎日お菓子を食べるわけではなく、いただきものも含めて、1~2週間に1回食べるか食べないかというペースを守るようにしています。

「食べることがストレス発散なんです。」

その気持ちはとてもよくわかります。私も食べることが大好き!お菓子大好きです。だからこそ思います。

「お菓子を食べたときに少しも自己嫌悪に陥りたくない。」
「お菓子を食べるときの幸せを最大限に感じたい。」
「お菓子が原因の体調不良から受けるストレスを減らしたい。」

私は、お菓子を悪者にするかどうかは自分次第だと思っています。
私が実践しているお菓子の我慢の仕方をご紹介いたします。

1.お菓子を食べる頻度を減らす

毎日食べている方は2日に1回に、2日に1回食べている方は3日に1回にできればいいですね。糖分たっぷりのミルクティーなどを毎日買う方などにもおすすめしたい方法です。

1-1.「スイーツ貯金」をする

【方法】
1.普段食べているお菓子よりも値段が高いお菓子に目標を定める
2.そのお菓子の金額分が溜まるまで、日々の中で買おうと思ったお菓子の金額分を貯金する

例えば、毎日100円のお菓子を食べているなら、300円くらいのちょっと高めなお菓子に目標を設定します。後は2日間100円のお菓子を買うのを我慢して、3日目に300円のお菓子を買います。それを繰り返します。食べるお菓子の質が上がり、1回1回の満足感も上がります。

私はこのスイーツ貯金で「ザ・ペニンシュラ ブティック」さんのマンゴープリンを買っていました。

1-2.お取り寄せ・予約をする

「お取り寄せ」や「予約」はすぐには手に入りません。待っている間はひたすら想いをつのらせ、食べられた時の幸せはたまりません。

私は「フロインドリーブ」さんのクッキーが好きなのですが、こちらは神戸にしかお店がないので郵送してもらうしかありません。「私はこれ!」というお取り寄せスイーツを発見できるのもこの方法の良いところです。

予約するお菓子というと、約1か月前から予約しないといけない「銀座かずや」さんの練り菓子「かずやの煉」があります。東京勤務時代、何度かトライしたのですが、いつも取りに行ける時間に予約ができず・・・いつかリベンジすると誓っています。

1-3.予定に合わせて体調を整える

「今週末デートだから肌の調子を良くしよう。」
「久しぶりに会う友人と遊びに行くからダイエットしておこう。」
「もうすぐ生理だけど少しでも痛みを減らしたい。」
「今度採卵だから卵の質を下げたくない。」

予定に向けて数日間お菓子を我慢しましょう。予定を意識するとモチベーションが上がり、我慢がしやすくなります。
また、女性同士のお出かけならお茶することも多いと思いますが、「この日のために昨日まで我慢したから!」と思って食べる方が心置きなく楽しめると思いませんか?

2.一度に食べる量を減らす

お菓子は、頻度だけでなく量も大切です。
「テレビを見ながらスナック菓子を食べていたら、いつの間にか1袋食べちゃってた。」
そんな方にもぜひ実践していただきたい方法です。

2-1.お皿に盛る

お菓子を食べる時は必ず「お皿に盛る」。そして飲み物も用意してティータイムにします。無くなったら終わり。
ティータイムとして時間を取ることでけじめがつき、飲み物でお腹も膨れるため少量で満足感が得られます。
自分のお気に入りのティーセットを用意すればより気分が上がります。

私は、例えチョコレート1粒、クッキー1枚でもお皿に乗せてお茶を入れます。その方が「食べた!」という満足感が得られておすすめです。

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2-2.誰かと「半分こ」する

「お母さん、これ買うから半分こしよ!」で母と半分こしたり、職場でお土産をいただいた場合に「お家でゆっくり食べます♪」と持って帰ってお家にいる人と半分こ。
この時、先ほど紹介した「お皿に盛る」ことで、半分でも満足感が得られます。
半分こする相手がちょうどいなかったら、半分残して冷蔵庫へ。明日の自分と半分こです。

3.食べるものを工夫する

どんなお菓子を食べるかにも気を配ると、体への負担を減らすことができます。

3-1.常備するお菓子を変える

1日の中で小腹が空く時がありますよね。そんな時のために、私は次のものを常備しています。

・プルーン
・ミックスナッツ
・棗
・バナナ

プルーンには、お肌の生成や潤いに関係するビタミンAやコラーゲンの合成に必要なビタミンC、ビタミンCと協力して抗酸化作用を発揮するビタミンEなどの様々なビタミン、葉酸、鉄分などが含まれており、薬膳でも"補腎"=アンチエイジングの食材として知られています。
ミックスナッツ(アーモンド・カシューナッツ・くるみなど)には、それぞれビタミンEや代謝に関わるビタミンB1,B2、亜鉛、オメガ3脂肪酸などが含まれ、薬膳では補腎の食材とされています。
棗には、葉酸が豊富に含まれます。また、東洋医学では血を補う"補血"の力、精神を安定させる「安神(あんじん)」作用が有名で、心身のどうしようもない不安感を鎮める漢方薬「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」の構成生薬でもあります。
バナナには、ビタミンB群やビタミンCの他に、腸内細菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖が含まれ便通改善にも役立ちます。薬膳では"寒性(体を冷やす)"の性質を持つので、30秒~40秒ほどレンジにかけて"温性(体を温める)"のシナモンをかけて食べるとバランスが取れます。
(この辺のお話については、また別の機会に詳しくやろうと思います。)

ついついつまんでしまうお菓子も「塵も積もれば山となる」。侮れません。

3-2.トランス脂肪酸を避ける

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、そのほとんどは加工食品に含まれています。数々の研究で人体への危険性が示されており、特に心血管疾患のリスクを増やすこと、肥満やアレルギー疾患に関連することがわかっています。
WHOもその危険性を認め「1日の総エネルギー摂取量の1%に相当する量(日本人なら平均約2gのようです)以下」という摂取基準を設けています。
お菓子で気を付けたいのは「マーガリン」と「ショートニング」。これはトランス脂肪酸そのものです。原材料名を確認して、こういったものが入っていないお菓子を選ぶことをおすすめします。

まとめ

お菓子の頻度を減らす方法、量を減らす方法、食べるものを工夫する方法についてご説明いたしました。

お菓子と養生は残念ながら対極にあります。
では、「あぁそうですか。では今後一切お菓子は食べません。」とどれだけの人ができるのでしょうか。

「上手に食べて上手に我慢する」

続けられる方法を続けることが一番大切です。
ご紹介した方法が1つでも皆さまのお役に立てば幸いです。

【参考】
・日本人の食事摂取基準(2015年版) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
・トランス脂肪酸の摂取と健康への影響 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/trans_eikyou.html
・すぐにわかるトランス脂肪酸 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/


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