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感想:「開校100年 きたれ、バウハウス —造形教育の基礎」

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 みんな大好きバウハウス(Bauhaus)が2019年に創立100周年を迎えた。日本でも「Bauhaus 100 Japan」プロジェクトが立ち上がっており、現在、東京ステーションギャラリーでは記念巡回展「開校100年 きたれ、バウハウス —造形教育の基礎—」が開催されている。

 みんな大好きバウハウスであるが、カンディンスキーやクレーといった一流の講師陣が教鞭をとっていたことや、特徴的なデザインばかりが有名で、実際のところについてはよく知られてない印象をうける。本展覧会ではバウハウスの実際のところ、つまり「学校としてのBauhaus」を存分に堪能できる。

 展覧会は5部構成である。観覧者はバウハウスの教育課程に従い、まずは「予備課程」でクレー・カンディンスキー・シュミットなどの授業内容に触れ、次に専門課程にあたる「工房」が生み出した制作物を鑑賞するという流れだ。
 
 家具・金属・陶器・織物・壁画・彫刻・広告・版画・舞台・バレエ・絵画など、展示館中に触れる制作物の種類はとても多い。これほどバラバラの制作物を取り扱う展示会は珍しいのではないのだろうか?しかし、そうした展示物のすべてが、一目して「バウハウス」だとわかる。「すべての造形活動の最終目的は建築である」というバウハウスの理念が浸透していたことの証左であろう。
 とはいえ、バウハウスに既定の「トンマナ」が存在していたわけではなさそうだ。浸透していたのは、理念に触発された教師たちの「思考」である。例えばカンディンスキーが提唱していた「赤青黄と丸三角四角の対応」の影響を見ることができる。
※対応関係を考えるエクササイズが面白かったのでご紹介。

 言ってしまえば社会的必要性に裏打ちされた「理念」があって、それを体現する多様な「人」がいたのだ。まさに「学校」である。バウハウスという学校を存分に見学できる展示会であった。
 
 個人的な意見ではあるが、事前にバウハウスについて軽く調べておくとさらに楽しめるかもしれない。本展覧会は「バウハウスの授業を追体験する」ことがテーマだったので仕方がないのだが、バウハウスについて理解する上で重要な1919年〜1933年の社会情勢については十分に触れられていない。ともなって思想的な部分も少し理解しづらい。事前に調べるのが難しい人には、図録に14本の論集と3本の翻訳集がついてきているのでオススメである。上述したような部分を補ってくれるだろう。
 
 ちなみに100周年記念として、バウハウス叢書の新装版も発売中だ。お得なのでは???

※まともな写真を撮っていなくて反省。

焼肉が食べたい…!!