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【思い出マンガ】麻雀漫画について

「麻雀漫画50年史」という本を読んでいる。これは面白いけど、かなりしっかりした重厚な本だね。もっと軽いものを想定していた。それだけちゃんとした取材、分析を行っており、読み物として素晴らしい。まとめはそのうちするとして。

 僕は子供の頃から、家族麻雀、それとファミコン(ディスクシステム)の麻雀を親が買ってきたこともあり、麻雀を覚えるのが早かった。小学生の時には覚えていた。その後、高校生になると、麻雀好きの人が集まってきて、部活の後や休日に麻雀をやることも多かった。部活終わりに学校で麻雀をやっていて、先生に見つかって、「俺もまぜろ!」と言われたこともあった。そんな学校だった。

 その頃、麻雀漫画のブームがあったと思う。近代麻雀、近代麻雀オリジナル、近代麻雀GOLDと3誌が毎月出ていたのだ。GOLDは桜井章一の雀鬼会色が強かった。僕も結構読んでいた。


 福本伸行の出世作。後にアカギがスピンオフとして描かれることになる。序盤は人情物だったが、3巻くらいからギャンブル漫画としての色が濃くなる。東西戦だ。麻雀の駆け引き、裏技みたいなものがどんどん出てきて盛り上がる。2人麻雀のころは、雑誌で読んでいて、進み具合の悪い内容にヤキモキしたものだ。それと、受験のとき、この単行本7,8巻を今はなき大宮のまんがの森で購入し、ホテルで読んでいた。懐かしいなあ。
 後半はアカギの葬式の話になる。麻雀はあまり出てこない。人の生きざまとか、生と死とか、そういう話題が多くなる。少し前にKindleで全部買って読んだが、最終話の天のアカギへの語りかけは迫真で、胸を打たれる。やはり名作だ。

アカギ-闇に降り立った天才

 やはり麻雀漫画の王様といえばアカギだろう。麻雀を知らなくても読める漫画だと思う。先述した天のスピンオフで、アカギの若い頃の話が描かれる。完結に30年かかった鷲巣麻雀が有名。でも、漫画としては、それより前の浦部戦くらいまでが読みやすくて素晴らしい。天才性とはこういうことか、とうならされる出来である。
 アニメや実写ドラマにもなっている。本郷奏多が演じた実写ドラマはなかなか良かった。

ノーマーク爆牌党

 麻雀漫画の第一人者、片山まさゆきといえば、ノーマーク爆牌党だと僕は思っている。他には、「オバカミーコ」「ぎゅあんぶらあ自己中心派」「スーパーヅガン」などがあるが、読み応えのあるのはノーマーク爆牌党だろう。麻雀漫画史に残る大傑作だと思う。
 守備に硬い麻雀を打つ鉄壁が、麻雀を支配したような爆岡と対峙していくストーリー。序盤は爆岡が主人公だが、時を経て鉄壁が爆岡を倒すのがメインの流れとなる。麻雀のすべてを読み切ったときに打たれる爆牌と、それを少しずつ解明していって追い込んでいく鉄壁。圧倒的強者とそれに対抗する側の心理描写も素晴らしい。最後の対局で、メンバーみんなに見せ場があるのも熱くなる。八崎さんの「リードは守るもんじゃない、広げるものだ」などの名言も多数。麻雀好きにはみんなに読んでほしい。
 実は少し前に実写映画化されている。ちょっと冴えなさすぎる内容ではあった。鉄壁があまり良くなかったんだよな。やっぱり、こういう漫画を実写化するのは難しい。

哭きの竜

 任侠ものである。「あンた、背中が煤けてるぜ」「竜~~~っ おまえの運をわしにくれや 会長(おやじ)にくれや~~っ」などの名言が有名。
 基本的には麻雀は哭くと弱くなる(作者は麻雀をあまり知らなかったらしい)のだが、それを逆手に取った進行が面白い。

兎~野性の闘牌~

 特殊能力麻雀である。平凡だと思われていた主人公は、麻雀で相手の当たり牌を察知する能力にのみ長けていた。その能力を活かしていろいろな仲間と麻雀を行っていくという話。相対強運とか、なんというか運の量がでかいとかの話が出てくる。そのうち特殊能力の話は、そういえばあったなくらいの位置づけになってしまうが。
 これも長続きした漫画。最後の方はなんともストーリーが暴力的である。
この特殊能力麻雀というのが、後に「咲」へつながっていくのではないか、と僕は想像している。

咲-Saki-

 突如現れた人気美少女麻雀漫画。あっという間にアニメ化もされた。カンをするとどんどん強くなる主人公、宮永咲と、デジタル打ちの原村和をメインとして、学校対抗の麻雀部の大会がストーリーとして進んでいく。対戦する相手も、気配を感じさせないとか、ハイテイに必ずツモってくるとか、いろんな能力がある。キャラクターの勝利で、スピンオフの阿知賀編などもまだまだ連載している。いつ終わるのだろう。

まとめ

 麻雀漫画は、独自のジャンルを築いてきた。麻雀漫画だけで雑誌が成り立っているなんてすごい。そんなの、ちょっと前のゴルフ漫画くらいしか例がない。麻雀漫画も、流石に最近は厳しいようで、先述した近代麻雀シリーズも、本誌1誌を残して休刊になっている。でも、麻雀自体は、Mリーグなどもあってまだ頑張っているみたいだし、それなりに規模を保っているように思う。90年代のような、誰でも麻雀くらい知っている、というような状況にはならないと思うが。昔のように、麻雀=ギャンブル、博打、ヤクザ、みたいな印象はもうないんじゃないだろうかな。ゲームとしては、麻雀格闘倶楽部や、MJなどあって、それなりに、という感じだろう。
 あ、そういえば哲也なんかもあったな。リアルタイムでは読まなかったが、後にあれがゲーム化されて、プレイ動画(淫夢要素あり)で見たら面白かったので、後で単行本を読んだなあ。

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