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ダービースタリオンの思い出。
実は最近Switchにて発売されているので、懐かしゲームに分類するのはちょっと違うのだが、今日はダービースタリオンの思い出の話。
オグリキャップのフィーバーが終わり、時代がトウカイテイオーになりつつある頃、競走馬育成ゲーム「ベスト競馬 ダービースタリオン」が発売になった、と記憶している。調べれば時系列はっきりするだろうけど、まあそんくらいのイメージ。僕が小学生の頃、トウカイテイオーを見て、競馬を見始めた時の話だから、まああんまズレてないと思う。
ダビスタ攻略を主に扱っているYouTubeチャンネル。懐かしくて、よく見ている。
最初はファミコンのゲームで、繁殖牝馬と1500万円を持ってスタートし、競走馬を生産、育成して賞金を稼ぎ、強い馬を生産して、G1レースを取っていくというのが主なゲームの流れ。ファミコンの頃は、牡馬しか作れなくて、代重ねみたいなことはできなかった。良い繁殖牝馬に良い種牡馬をつける、それがもっとも最短の攻略ルートだった。ミズタマという牝馬に当時最高額のノーザンテーストをつければ、G1を10勝くらい出来る馬が作れた。
それまで、競馬についてはそんなに知識がなかった。そりゃあ、小学生で競馬に詳しい人も少ないわけで当たり前だが。この競馬のゲームだって、難しい。内容が結構専門的なんだよね。生産もそうだし、調教もそう。レース選択だって知らなければ何をしていいかもわからない。このゲームを通して、競馬のシステムってこうなっているんだ、調教ってこういう具合に進められてるんだ、レース体系ってこうなってて、どういう具合に調整を進めれば良いのかとか、学んでいった。
そんな競馬ゲームのガイドブックとして、「ベスト競馬ダービースタリオンを一生遊ぶ本」というのがあった。故成沢大輔さんの著作で、このシリーズは作品ごとにずっと発刊されることになる。この本は攻略本というよりは、解説的な中身が濃く、この種牡馬は実際どんな仔を出す傾向があるとか、繁殖牝馬の元ネタはなんという馬だとか、血統面の知識がかなり書いてあった。ミズタマ=チヨダマサコ=ニッポーテイオーの母みたいな事が書かれいて、読み応えがあったんだね。
初代のダービースタリオンはG1レースを除いて関東のレースしか遊べなかったので、続けて全国版というのが発売になった。
スーパーファミコンの時代になって、ダービースタリオン2というソフトが発売になった。これは自分で生産した競走馬を、他者の生産馬と戦わせる「ブリーダーズカップ」という仕組みが導入された。みんながこぞって最強馬を生産するのに夢中になった。種牡馬や繁殖牝馬の能力値だけじゃなく、配合理論というものが重要になった。インブリードといって、血統表で祖先に同じ馬が含まれると、スピードが上がるとか、スタミナが上がるとか、そういう効果があった。それを上手く入れ込んでいくことで、強い馬が作れるようになった。
このブリーダーズカップという遊びでは、ゲーム誌などで企画があって、ユーザーから募集して対戦させるなんてのもよくあった。有名なのはシルバイオ―という馬で、これは10代も短距離馬を代重ねした繁殖牝馬を使って限界までスピードを上げたもの。先述のYouTubeチャンネルでは、能力値可視化ツールを使って、最強馬を作成しているのだが、それに遜色ない馬を実機のみで作成した横井顕氏は凄まじい。
ダービースタリオン3になると、よりレースが複雑になった。生産馬の調教を、CPUに任せられるようになった(任せるのも良し悪しがあったが)。生産理論も少しずつ変化して、インブリードをどれだけ入れるかが重要になり、父親と母父が同じ馬(ノーアテンションなど)など極端な配合が流行ったりもした。
この頃からダービースタリオン99くらいまでがダービースタリオン人気のピークにあったと思う。ゲーム雑誌だけでなく、競馬雑誌でもダービースタリオンの話題が登場した。ダービースタリオンのネタでマンガにした「ダビスタマガジン」なる単行本も3冊出ている。それから、ダビスタを全面に打ちだした雑誌「サラブレ」が創刊された。このサラブレはダビスタが下火になっても、競馬ネタで継続的にきちんと発刊されていたが、つい先日休刊となった。
僕は凝り性なので、好きになったものは徹底的に憶えた。血統表のインブリード効果なんかは全て暗記していたし、種牡馬の代表産駒や大体の能力、繁殖牝馬の元ネタや能力値を憶えていた。さすがにもう忘れたが。
ダービースタリオンの売上も凄まじく、こんなマニアックなゲームなのに100万本以上売れていた。尋常ではない。こんなに競馬の普及に役立ったものはなかなかない。JRAは表彰していいと思う。
サンデーサイレンスが大活躍していた頃、ダービースタリオン96が発売になった。面白い配合、という新たな理論が導入された。3までの理論では通用しなくなった。パスワードを入れれば海外の種牡馬も使えるようになった。僕の考えたさいきょうのはいごうは、シルクスクリーン×オグリキャップ×ワイルドアゲイン×アンバーシャダイである。
以後、どんどん配合理論が複雑になっていく。それと、それぞれのときで変わった仕組みが導入された。体重が軽いほうがダッシュが良いとか、勝負根性がない方が道中で離して逃げやすいとか。大逃げのサイレンススズカやセイウンスカイを再現しようとした結果だろうけど。複雑になりすぎて、ついていけない風でもあった。というか、プレイステーションになってから、ロード時間等の問題で、ゲームをやるのがやや億劫になっていた事もあった。プレイステーション2の時代では本当にそうで、パソコンのゲームばかりしていた。だからウイニングポストに移行したというのもある。
PSPやDSでも出ていたみたい。3DSでも。歴史を見るに、6年に1作くらいのペースで新作が出ている。Switch版はかなり鳴り物入りで売り出されたけど、売上はそんなでもなかったような感じだったね。
ちょっと前の記事だが、作者の薗部博之さんのロングインタビュー。読み応えがあってとてもよろしい。僕もライフゲームは好きだ。
競馬ブームの立役者として、こんなゲームがあったのだ。それを語り継ぎたい。
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