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季節の変わり目の 匂いが好き そう言っていたあの人は 何度目かの季節の変わり目に 心まで変わってしまった わたし 季節の変わり目の匂いはわからないけど 心変わりの匂いはわかるのよ
たとえばあなたが 今のあなたでなくて 別のあなただったとしたら 私はあなたを知らなかったし 私も今の私じゃなかった ほら、やっぱり 出会う時期なんて関係ないの 私があなたを必要としたから そこにいてくれたのでしょう? 必要な時だったから 現れてくれたのでしょう? 思い出は共有できないけれど 「これから」は知っていける 知っていける
遠くに来た 思ったよりも遠く 私が思い描いた場所は ここだったか 否か 振り返るには早すぎる 進むには遅すぎる こんなはずだったか 否か ここはまるで砂漠 涙すら降らない それは遠に枯れてしまった 枯れてしまったはずだった そこに凛として咲く 一輪の薔薇に出会うまでは 例えその薔薇に 手が届かなくとも
あなたが白だと言ったなら それが黒でも白だと言おう あなたが美味しいと言ったなら それが不味くても美味しいと言おう でも あなたが私を嫌いと言っても 私はあなたを嫌いにならないよ
使い古された言葉でしか あなたに愛を伝えられない たくさんの人に囲まれているあなたには そんな言葉は埋もれてしまう 言葉の神様がいるのなら どうか神様 私にありったけの愛の言葉を 授けてください いつかあなたに届くような いつかあなたの胸を打つような そんな言葉を 授けてください
ポケットに愛を忍ばせて あなたに会いに行こう きっとあなたは気づかない ほら、いつもそうやって笑って はぐらかされてしまうのよ その笑顔が見られるだけで それだけで 私の胸がどんなに高鳴っているか きっとあなたは気づかない ポケットの中の愛は ずっとポケットの中忍ばせたまま
見えているのに触れられない あなたはまるで ラムネの中のガラス玉 私の想いはフツフツと ラムネの泡のように湧き上がるのに 早く出てこないと 泡も消えてなくなるのよ
時々見せる あなたのその眼差しが 凍える月の光のようで 月を見るたび あなたを思い出す 蕩けるような あなたのその笑顔が 柔らかい月の光のようで 月を見るたび あなたを思い出す 裏側が見えないところ 月もあなたもおんなじね