好きな先生のこと
その人は黒くて長い髪にくるくるパーマをかけていて真っ赤な口紅をつけた英語の先生だった。
名前は覚えてない。
声は少しだけ覚えている。
レースで編んだワンピースを着てヒール5センチのサンダル履いて教壇に右肘だけちょいとのっけて立ってた。
記憶はそれくらい。ただ。
「あんたたち、頭だけは柔らかくしときなさいよ」
って言葉だけ。
とりあえず堂々としていて細かいことはどうでもいいじゃんて態度でかっこよかった。
先生生きてるかな。
今もし会っても変わってなさそうだな。
だってあんなにスジの通った高い鼻、大抵のことでは折れそうにないもの。