こころ検定1級合格者が解説!資格取得への勉強法とは
「こころ検定」という資格をご存じでしょうか。
こころ検定は、一般財団法人 日本こころ財団が主催する心理学の検定です。
ストレス社会とも言われる現代においては、子どもでも大人でも心に関する悩みを持つことも多いかもしれません。
小さなストレスがいつのまにか積み重なって、心の病気になってしまうこともあります。
このような思いから、産育休中のリスキングとして「こころ検定」の1級と2級を取得しました。
育児をしながらの限られた時間でも効率的に勉強することで、どちらの級も一発で合格。
現在はメンタルケア心理専門士の資格を取得しています。
そんな私が、本記事で「こころ検定」の概要から、合格を獲得する勉強方法を解説します。
資格合格に近付ける通信講座や学習テキスト、それを後押ししてくれる国の補助制度もあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
こころ検定とは
こころ検定の概要
こころ検定とは、文部科学省後援の「こころ」に関する民間資格試験です。
公式ホームページにおいては、
とされており、1級から4級まで段階的に心理学を学べます。
それぞれ心の健康に関する知識とともに、ケアやサポートをするためのカウンセリングスキルが習得できます。
各級の難易度
こころ検定には1級から4級まで難易度が分かれています。
<4級>基礎心理学初級 ★☆☆☆ CTB試験(40分)
<3級>基礎心理学初級+ ★★☆☆ CTB試験(40分)
<2級>応用心理学中級 ★★★☆ CTB試験(90分)
<1級>応用心理学上級 ★★★★ CTB試験(90分)・実技口述試験
学科試験は正答率70%以上が合格ラインとなります。また、1級は学科試験での正答率70%以上を取ったうえで、二次の実技・口述試験があります。
なお、2級合格はメンタルケア心理士、1級合格はメンタルケア心理専門士としての資格を取得できます。
2~4級は受験資格がなく併願もできますが、1級のみ下記の受験資格が必要です。
ほかの心理学検定との比較
心理学や心の健康に関連する資格はいくつかあります。代表的な資格と、こころ検定との違いについて説明します。
<メンタルヘルス・マネジメント検定>
・概要
職場でのストレスマネジメントや、従業員の心の健康管理に関する知識を測定する資格です。
・こころ検定との違い
職場のメンタルヘルスに特化している点が大きく異なるポイントです。
<公認心理士・臨床心理士>
・概要
それぞれ心理学的な評価や高度な治療スキルを学べ、心理系専門職やカウンセラーになるための要件として挙げられていることも多い資格です。
・こころ検定との違い
メンタルケアについてより高度なスキルを習得できますが、受験には心理系大学院の卒業等が必要です。
受験資格を持っていない状態からのスタートには、数年単位での期間が必要です。
<心理学検定>
・概要
心理学の理論や実験、歴史、発達心理学、認知心理学など、心理学の学問としての幅広い分野を網羅しています。誰でも受験が可能です。
・こころ検定との違い
心理学検定は10科目に分かれており、合格した科目数に応じて2級・1級・特1級の3段階に分けられる仕組みです。
1回の試験では最大8科目の受験となり、試験は1年に1度しかないため、最も上の特1級取得には、最低2度の受験が必要です。
こころ検定合格への最短ルート
【こころ検定公式テキスト】
3級、4級の勉強にはメンタルケア学術学会監修のこころ検定公式テキストが販売されています。
公式テキストはカラーで図やイラストも豊富なので、勉強のスムーズな導入につながりやすく、初めの1歩にピッタリです。
【こころ検定通信講座の受講】
2級からはこころ検定の通信講座の受講が必要で、メンタルケア学術学会教育指定校でのみ取り扱いがあります。
通信講座:①テキストの熟読
私は、ヒューマンアカデミーたのまなで通信講座を受講していました。
こころ検定2級は3冊、1級は5冊のテキストに分かれています。
初めはざっくりと概要を理解するために読みます。その後は、細かなところまで頭に入れるためよりに、ひとつずつを深く理解しながら読むことを意識し、テキストの熟読を何度か繰り返しました。
次に、心理学の用語が出てくるため、着実に覚えていくためにチェックペンで色付けしながら、赤シートで消える仕様にすることで頭に叩き込んでいきます。
通信講座:②添削課題を提出
通信講座にはテーマごとに添削課題が用意されています。
1テーマ学習が終わるごとに課題に取り組み、知識の定着度を確認します。
設問として出たところは、試験でも重要なポイントです。さらに、返却された添削をもとに、理解しきれていなかった部分を重点的に復習することが大切です。
通信講座:③DVD学習
テキストを読むだけでは分かりにくい場合や、画面や音声のほうが理解しやすい方にオススメです。
DVDは各テーマに沿った講義形式で、テキストの内容に沿って先生が解説するものです。
【メンタルケア学術学会監修 対策問題集】
通信講座で一通り学習した後、メンタルケア学術学会から発売されている「こころ検定 対策問題集」に取り組みます。
この対策問題集は公式ホームページの入力フォームから購入が可能です。
見開きで左側に設問、右側に答え・解説が書かれています。
1問ずつ実力を試しながら、解説を読んで、該当するテキスト部分を再度読み込むことが重要です。
元々通信講座のテキスト自体に重要ポイントが明記されているわけではなく、「どこから覚えていったらベストか分からないこと」が大きな壁でした。
そのため、私は問題集をこなすことで“覚えるべきポイント”を整理していくのが合格への近道です。
【口頭・実技試験対策(2次試験 ※1級のみ)】
口頭・実技試験(2次)にあたって、1次試験合格者を対象として、メンタルケアが学術学会がオンラインセミナーを開催しています。必ず参加しましょう。
また、2次試験は「カウンセリング技法」のテキストがカギです。
①口頭試験
カウンセリング技法についての設問に、簡潔に説明できるか
②実技試験
カウンセリング技法を理解したうえで、事例に基づいて実際にクライアントとの受け答えができるか
が重要です。
それぞれ時間制限等があるため、簡潔に回答できるよう入念に準備しましょう。
一般教育訓練給付制度対象講座
「やるべきことは分かったけど、通信講座にお金がかかる……」
そう感じる方は、まず通信講座の一般教育訓練給付制度対象講座をチェックしてみましょう。
一般教育訓練制度とは、厚生労働省が指定する教育訓練に対して、一定の給付金を支給するものです。
この制度によって、通信講座の受講料の一部が補助される場合があります。
最初に選ぶ講座によって、この制度の適用可否も変わるため、通信講座を始める際にぜひ頭にとどめておいてください。
お住まいの地域ハローワークにて、あらかじめご自身が受給要件に当てはまるかご確認いただくと安心です。
給付制度の利用も視野に入れながら、資格取得を目指していきましょう。
結び
「こころ検定」に興味があるけれども、合格できるのか心配…。
そのような不安を抱えている方も、テキストを読み込みながら、着実に課題等を通して勉強していくことで資格の取得は可能です。
ぜひ、前向きな一歩を踏み出してみてくださいね。