渋谷の路上で悟りを開こうとした限界OLの話
修験の地・渋谷にたどり着くまで 「俺と仕事、どっちが大事なの?」
漫画のような終わりの始まりだった。とある年末の、寒い日のことだった。
当時の私は、終電という概念のない働き方をしていた。仕事は刺激的で同僚たちは善良だったが、それとは別に、現場は人も時間も圧倒的に足りていなかった。徹夜を重ね、それでもなんとかスケジュールをやりくりし会いに行った直後のことだった。彼は堰を切ったように続けた。
「そこまで働いて、何になるつもりなの?」
「給料だってたかが知れてるでしょ」
「