死にたがりのブルース

亡くなった人を神聖視する社会の流れは好きじゃないけれど、今回ばかりは自分がそれにあてはまってしまう。自分のプライドを許してあげたい。

少し年上のお姉さんがつい先日、自分なりの幸せを追い求めることを辞めて、この世を去った。双極性障害に悩みながらも、自分が素敵だと思った考え方や生き方をシェアしてくれていたインフルエンサー。元々は普通の女の子で、少し周りの人より行動力があって有名になったけれど、なんとなく思考回路だったり価値観が一般のわたしたちと同じで、すごく親近感があったし、憧れだった。
正直言うと、死の前兆はなかった。なんなら以前の方が危ないかも、と感じたことがあったくらい。本を出版して、ファンの子達とのイベントを控えたいま、どうして、とつい声が出た。私生活までは計り知れないから、責任感とかそういうのはわからないけれど、報道後のSNSの書き込みにもあった通り、決まっていたイベントから何も言わずに逃げるような子だったとは思えない。

彼女の言うとおり、鬱を抱えた人から見えるこの世界はあまりにも残酷だ。それが本来の姿なんだとも言っていたし、ポジティブに生きるために、見ないようにすればいいという話ではないとも言ってた。本当にその通りだと思う。

彼女の存在は自分の存在を正当化するものでもあった。わたしだけがこんな卑屈な考え方をしてるんじゃない。世の中生きていくためにはあれこれしないといけない、そういう強迫観念からくるストレスって他の人にもあって、当たり前のことなんだ。

後追いをするほどの覚悟も無いのに、死にたいと言う。これも普通のことなのかな。

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