maiko

主婦。

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最近の記事

友達。

あれは高校1年の頃だ。 彼女は後ろの席だった。長いおさげ髪の明るく元気な子。違うグループに所属していた。彼女は私が愛読している小説の話をしていた。私は振り向き、話に入った。それがきっかけだったのだろう。 2年になりクラス替えをした。同じクラスから上がってきた女子は、私と彼女だけだった。3年はクラス替えがなかったのでまた一緒だった。 昼ごはんは別々で食べていたが、彼女は食事が済むと私を呼びに来た。私たちは図書室に行き、ベルサイユのばらを読んだ。 委員会を一緒にやった。2年は

    • 真面目でポンコツ

      「自分の長所と短所かあ。」 ゴリゴリゴリ。クラッシックなグラインダーで珈琲豆を挽く。ドリッパーにペーパーフィルターをセットして、挽いた豆を入れる。ケトルのお湯がわき、お気に入りのカップにお湯を1/3ほど入れ、カップを温める。その上にドリッパーをのせ、豆全体にいきわたる程度に湯をそそぐ。20秒待ってから、いったんカップの湯は捨て、ゆっくりと湯をそそぐ。 齋藤孝著の「こども文章力」を日々ちょこちょことこなしている。 小学生向けだが自分にはいい。難易度は低く。壁は越えられる程度に

      • 三日月。

        「本読み終わってね、ネット検索してみたの」 学校帰りの息子に話しかけた。息子はハーゲンダッツを食べ、アイパッドでネットサーフィンをしている。 「そしたら映画化されてたの。ドラマ化も。でもね、どちらも、髪型がショートカットで、なんか違うかなって。本には髪型の記述はなかったのかもしれない。でも自分の中の彼女は、ストレートのセミロングだったの。」 そう、あの時の梅澤梨花は「自分で決められない人」だったから。流されて、何かチクリとしても深く考えず、忘れて行ってしまうような。 今日読み

        • ある、小学生の日の思い出。

          小学4年生が終わった春休み、両親は離婚をした。私と二人の姉は母に連れられて、祖父母が暮らす東京へと引っ越した。離婚や父と離れて暮らすことを悲しいとは感じず、私はただ、「変化」を楽しんでいた。 あの日、母が娘たちを部屋に集め、聞いたっけ。「離婚してもいいか」と。私は姉たちがいいというので、自分もいいと言った。記憶は確かではないが何度かこういう話し合いをしていたそうだ。二番目の姉が嫌だと言ったので一度は収まったらしい。それからあの日、母は私に聞いた。私にだけ、聞いた。「どっちに

          餃子は鉄のフライパンで。

          ニラ2束をきざみ、ひき肉、ねぎ、しょうが、調味料をいれて混ぜる。湯をわかし、鉄のフライパンを火にかける。温まったら多めの油をいれフライパンをまわし、油つぼにもどす。フライパンをさます間に、餃子の皮をひろげあんをのせ、つつむ。再びフライパンに大さじ1の油をひき、餃子を円形にぎゅっと並べる。点火し、湯を50cc回し入れ、蓋をして5分待つ。 おいしく餃子を焼きたい。 そんな思いから鉄のフライパンを買った。 だが、失敗ばかりだった。焦がして、くっついて。泣きたくなった。投げ出した

          餃子は鉄のフライパンで。

          祝日の金曜日。

          毎週木曜日に動画が配信される。22時配信なので翌日に見ている。シーズン1からみていて、今はシーズン2になった。原作のあらすじはすでに読み、内容はわかっている。けれど楽しみだ。 今日は祝日で息子は休み。息子がいる日に集中して動画を見るのは不可能だ。話しかけてくるから。パソコンはキッチンに置いてあり、用があってもなくても彼はキッチンに来る。でも見たい。私はブルートゥースイヤホンの電源を入れ、覚悟を決めた。息子が話しかけてくるたび止めればいいじゃないか。息子がキッチンに来るたび画

          祝日の金曜日。