[2022年版]カンデル 神経科学を買おうか迷っています,2022/09に起こったコト
買おうか迷っています
医学だけでなく、
人工知能など、様々な分野で神経科学・脳科学の参考文献として、
「カンデル 神経科学」の名前をよく目にします。
あなたは買うべきでしょうか?
ずばり
「保留」
です。
この記事では対象を医学生ではなく、一般読者とします。
理由は、
2022/09に起こること
少しずつ解説していきます。
1.2022/09に起こること
実は、2021年に原書第6版が出版されました。
原書第6版に出版にあたり、訳書の出版元であるメディカルサイエンスインターナショナル社によれば、2022年9月に和訳改訂版(和書第2版)が出版予定とのことです。
既刊の「カンデル 神経科学(2014)」は、原書第5版(2013)をもとに翻訳されています。
ちゃんと書くと、
「カンデル 神経科学 第1版(2014)」は、原書"Principles of Neural Science" 5 edition(2013)がベースになっています。
そして、2022年9月に
「カンデル 神経科学 第2版(2022)」が、原書"Principles of Neural Science" 6 edition(2021)ベースの改訂版として出版予定となっている、ということです。
原書"Principles of Neural Science" 6 edition(2021)が、どれだけ 5 edition(2013) からアップデートされているかを、全容をわたしは把握していません。
しかし、価格面で「カンデル 神経科学 第2版(2022)」が、第1版(2014)の1万6千円から、これ以下になるとは思えません。
書籍としては、かなり高価ですので、少し待って、改訂第2版を買ったほうかいいでしょう。
カンデルさんが一人で書いているわけではありません。
ところで、「カンデル 神経科学」はカンデルさんが一人で書いている訳ではありません。これだけの大著なので、何人もの専門家が各章、さまざまな箇所を担当されています。
カンデル(Eric Richard Kandel)さんは神経学者であり、ノーベル生理学・医学賞(2000年、"神経系における情報伝達に関する発見")を受賞しています。
このノーベル賞受賞者である大御所カンデルさんが冠され、書名「カンデル 神経科学」となっているのです。
学術の専門書では、とくに、化学、生物、医学では、筆頭著者に業界著名人を置く慣習があります。他に有名な例では、「ワトソン遺伝子の分子生物学」があります。ジェームズ・ワトソンさんは、DNAの二重らせん構造発見でノーベル生理学・医学賞(1962年)に選ばれました。ジェームズ・ワトソンさんは2022年時点、まだお元気で(94歳!)、様々なシーンでご活躍されています。その様子は「知の逆転,吉成真由美,NHK出版新書,2012」で知ることができます。こちらの書籍はインタビュー集で、ワトソンさんだけでなく、ノーム・チョムスキーさん(生成文法、チョムスキー階層の生みの親)、ジャレド・ダイアモンドさん(「銃・病原菌・鉄」)など、世界的知識人の思考を垣間見できるスゴ本です。いまなお、おすすめ。
さて、「カンデル 神経科学」では、カンデルさんは単なる名前貸しではなく、もちろんいくつかの箇所を担当(リンクは翻訳版詳細目次)されています。
また、カンデルさんご自身でもいくつかの単著されています。
業績に直結した書籍であれば、単書ではありませんが、
があります。
長くなってしまったので、続きは次回に。
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