[2022年版]カンデル 神経科学を買おうか迷っています,あなたに必要でしょうか
イントロ 前回からの続き
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では、改訂版についてお話しました。
2.そもそも「カンデル 神経科学」は必要でしょうか?
さて、以下に挙げることは、「カンデル 神経科学」の特徴です。
最高峰だけあって読みこなす難しい、それどころか各章を一読するのさえ挫折の可能性がある
神経科学各分野でいえば、各章は専門の入門レベルである
もっと馴染みやすい書籍があるんです。
サブ的に持っていたい本
これらは購入検討の目安にもなるはずです。
あくまで、専門外素人として気づいたことなのでご注意ください。
たぶん、途中で次回に持ち越すような気がします。
読みこなす難しい
わたしは、一念発起して購入したものの、読みこなせていません。
この本は"神経科学"です。その名の通り、神経に関して全般を扱っており、目や味覚、身体の神経伝達など、全身の神経を網羅的に記述しています。
多くの方が興味を抱いているような、高次脳機能(意識や言語処理など)、アドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質などは、何段階もステップを経由しないとたどり着きません。
ましてや、専門書の最高峰である「カンデル 神経科学」ですので、各項目しっかり書かれています。
まずは、300ページに渡る試練として、神経科学の基礎である神経伝導,神経伝達などが待ち構えています。この後に、ようやく15章 "中枢神経系の構造"、つまり前頭葉や小脳、視床下部といった解剖学的な脳の構造に入ります。
さらに、1ページあたりの文字数は、新書などの2倍の文字量です。1ページがA4サイズに近く、1ページあたりの文字数がその分多くなり、新書等でいえば2~3ページ分に相当するからです。少なく見積もって新書2ページとして、「カンデル 神経科学」の1583ページを認識しましょう。新書3000ページ?
ということで、専門書に読み慣れた人でなければ、未消化に終わるかもしれません。
各章は専門の入門レベル
「カンデル 神経科学」では高度な内容を扱っていますが、
実は各章のレベルは入門なんです。
"51章 睡眠と夢"では、15ページほどです。
これでは、概説にすぎず、医師が治療できるレベルにはまったく達していません。
"睡眠や夢"に関しては、該当分野の専門書にあたった方が断然に情報量が多く、さらにいえば、執筆者が日本人である和書であればもっと読みやすいです。
「カンデル 神経科学」では各章に参考文献の項があり、関連書・論文を知る手掛かりがあります。しかし、洋書や論文しか挙げられていません。一般の方では、この参考文献リストをもとに、さらに調べたり、他書をあたるのはほぼ不可能です。
睡眠であれば、例えば、まずは以下の和書のほうが、読みやすく分かりやすいでしょう。一般人にとって、「カンデル 神経科学」"51章 睡眠と夢"と同等かそれ以上で、消化できる内容があり、更に知るために「カンデル 神経科学」を読む必要は出てきません。
ブルーバックス 睡眠の科学・改訂新版 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか,櫻井武,2017
櫻井武さんは睡眠研究の第一人者です。
睡眠科学: 最新の基礎研究から医療・社会への応用まで(DOJIN BIOSCIENCE SERIES),三島和夫 編,化学同人,2016
次回に続く。
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