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1992 東京漂流 その4

 私が行っていたのは美術の大学で、四年制の学生と短大生が入り乱れて授業を受けていた。

学校の構内

 ここはファインアート(洋画・日本画)の校舎で、日本画科ではモチーフになる動物たちを飼っていた。鯉や非常に大きな雄鶏やうさぎなど。
 大きくなったら鍋になるという噂もあったが、日本画科に知り合いがいないので確かめたことはない。

 大学には構内に定住している猫がいて、ときどきトイレの洗面所などで猫が座っているところに遭遇した。
 洋画科の校舎には学生が作った猫の自動餌やり機があった。

 彫刻科の等身大の裸婦像なども野ざらしで校舎に置いてあり、それを撤去するときはお祓いをすると聞いた。人型のものには憑くらしい。

上野恩賜公園 1

 上野恩賜公園の桜を撮りに行った。上野動物園に行った帰りだ。1991年か2年ごろ。
 桜の名所なので、ものすごい人だった。

上野恩賜公園 2

 午後なので、宴会前の席取りの人が陣地を取っている。
 特定できそうな人の顔をぼかしている。

 私が上野によく行くようになった2000年以降には、公園のなかにホームレスの青いビニールシートで囲まれた家があった。
 が、このころは外国人もホームレスの姿もなかったのだろう。

国立国会図書館の歩道

 国立国会図書館の桜。今でも同じ歩道に桜の並木がある。
 国会図書館と国会議事堂のあいだの道路付近の風景。

冬バラ

クリスマスの冬バラ 1

 国分寺駅に写真を撮りに行った。
 クリスマスイブの日で、商店街のケーキ屋さんの前にケーキ売り場ができていて、若い男女がサンタさんの帽子を被ってケーキを売っていた。

 写真を撮らせていただいたが、無断で撮って申し訳なかったと思う。
 商店街の和食屋のウィンドウに、陶器のおふくさん人形がにこにこと客寄せをしていた。

 フェンスに咲いている冬バラの写真を撮った。

クリスマスの冬バラ 2


クリスマスの冬バラ 3

 当時はフィルムのカメラなので、背後のぼかしがきれいにできていた。
 デジカメは基本的に点(ドット)で構成されているので、一眼レフのデジカメでないと、周囲までピントが合ってしまう。

葛西

東京湾の海岸

 たぶん葛西付近だと思う。葛西臨海公園あたりの海岸によく行っていた。
冬で風が強く、海岸を歩く人も寒そうだった。

葛西臨海水族館

 葛西臨海水族館によくマグロの回遊を見に行った。

 マグロの水槽で一匹だけ逆走している魚がいて、私や私の友人のようだなと思った。

 メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)の青色がきれいで写真を撮りたいと思ったが、魚は素早いのでなかなか撮れなかった。

 お化けのような魚の残像の写真ばかり撮っていた。

 南極の魚が一匹ぽつんと水槽のなかにいた。
 冷気が漂う水槽のなかで、すこし寂しそうにたたずんでいた。




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