全学プログラムから学部へ
ALE第28回大会(シカゴ)に来ています.最初に印象に残った発表の担当者の大学がUWというので,去年訪問したシアトルのワシントン州立大かと思ったらWはウィスコンシンでした(マディソン校).実はこのリーダーシッププログラムのプレゼンはついでのつもりで部屋に入ったし,プレゼンでのリーダーシップ教育の中身としてはあまり目新しいものはなかったのですが,プログラム発生の経緯が非常に面白いものでした(こういう偶然の出会いがあるところがカンファレンスの良いところでもありますね). 面白かったのは2つの点です.第一に,この大学の場合,全学共通のリーダーシッププログラムの長い伝統があって,そこから薬学部が必要を感じて学部課程のなかにリーダーシップ科目群を組み込むようになったことです.その必要性というのは,薬剤師が職場でリーダーシップを発揮しようとしないというのが業界全体で問題(leadership crisis)になって久しいので,大学がその解決に協力したいと考えたということです.全学型から特定学部型にも発展するというのは,例えば立教の場合の逆です.しかし早稲田では全学から始めていますから,これは良い先行例になりそうです.早稲田で全学LDPを続けていれば,ニーズのある学部から引きがあるかもしれません.第二に,薬学部で始めるときに教授たちの説得に苦労しなかったかという質問に応えて「既に学部で活躍しているあの学生もこの学生も全学リーダーシッププログラムの出身ですよ」と説明したらあっさり納得してもらえたということです.早稲田LDPで活躍している学生は文字通り全学部に居ますから,これも励ましになりますね.