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『捨てる』についてかんがえたこと

最近、無くさなければならないもの、無くしてはならないモノを考えている。

少し前からお付き合いさせて頂いている方に建築白模型を作っている方がいる。
設計図に合わせて厚紙で建築物を立体の模型で再現する。

私はゼネコン時代にずいぶん目にして来た。
現場事務を担当していた某電器メーカーの研修所の模型がいまだに記憶に残っている。
設計施工の物件、設計部の先輩が数日の時間をかけて前の晩までかかって徹夜して作ったと言っていた。
打ち合わせの当日、それを目の前にして発注者との詳細な打ち合わせは話が弾んだ。
皆楽しそうであった。
モニターに映る3Dの画像や、3Dプリンターで作られた樹脂の模型でこの時代はいいのかも知れないが、味のある手作りの、紙の『白模型』には敵うことは無い。

『建築白模型』を私は無くしてはならないものの一つに数えている。
ただこのお方、かなりストイックな方、そんな方は自身の自慢話になるような話をあまりしないのである。
私がかつて仕事でお世話になった時からそうである。

どこでそんな技術を覚えたのか、その技術を出し惜しみしない。
自身のホームページのなかでどんどん作り方を説明している。
彼の作品は東京大学の中にも残っておりアドバイザーをしていた経歴を持つ。
あの不思議な形の設計図なんか無いだろうと思うスペイン、バルセロナにある、あのサグラダ・ファミリアを代表作とするアントニ・ガウディの作品(カサ・ミラ)の模型も作っている。
うろ覚えのなか勝手に書いているので間違いがあったらご容赦願いたい。
しかし、30年間建設業界で生きてきた私には、目を見張るような職人なのである。

そして、最近この note に生息し始めた。

なんだか、今はこの note で遠回しに自身のことを語っているが、もっとガシガシと自身を売り込んで欲しい。
それくらい能力を持った男なのである。

ここまでが無くしてはいけないものの話。
この先が無くそうと思っているものの話です。

最近自分の持ち物を整理しようと今流行りの『断捨離』を真剣に考えている。
ヨボヨボになって一度に行う困難さを考えて、これから徐々に進めようと考えている。
まずは重量のある本である。
前の会社のある先輩は手持ちの書籍全てを業者にPDF化させたと言っていた。
非破壊スキャンなる、本を解体することなく読み取るPDF化もあることを知った。
進化している。
しかし費用が現実的ではないから手放すしかない、という結論に至った。
これだけは時間をかけて実施するつもりである。
電子書籍の良さも認めるが、紙の本はいつまでも無くなって欲しくない。
しかし、自分がいなくなった後のことを考えれば、残るのは迷惑ばかりである。

皆が思い悩んで捨てることだから、断捨離なんて言葉が生まれてきたんだと思う。
ただ、捨てるのは簡単であるが、どの本にも思い出があり、執着がある。
ただ捨ててしまうのは本に申し訳ない。
まだしばらくは元気にいるだろうからもう少しだけ考えてみようと思う。
これがダメなんだとはわかっているんだが仕方がない、どうしようもないことが人生に一つや二つあるってこともわかっている。

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