日記のような、びぼーろくのような(2022.10.16 浮世の義理)
昨日の日曜日、朝仕事を終えて急いで帰る。
荷物を持ち換え、天王寺に向かった。
合気道の稽古である。
通天閣を横目に歩いていると額に汗が流れるわけじゃないが、この時期にしたら異常な暑さである。
このあと、雨が降るようだが、あがればすぐに冬なんだろうなと考え歩く。
道場一階の石材屋さんでは新しい石槽が出されている。
これは、、と思いのぞき込むとメダカの稚魚、3ミリほどの稚魚が元気に泳いでいた。
やさしいご主人の顔を思い出しながら遅れている稽古に向かう。
二階に上がる途中に初段を取った76歳の先輩に贈る黒帯を持ってくるのを忘れてしまったことに気がついた。
「まぁいいや、来週忘れず持って来よう」どうもならぬことに関しては開き直りは早い、瞬間でのことであった。
道場には三人の女子大合気道部のOGが来てくれていた。
三輪の花でいつもはおじさんばかりの道場が華やいでいたように思えた。
時には見栄も稽古には必要かも知れない、皆いつもより背筋が伸び、しゃきっとしていたようにみえた。
三輪の花には感謝である。
稽古を終え、まだ日は高いがその足で天王寺の思い出の飲み屋に行く。
飲み屋時代に世話になった大先輩の一周忌なのである。
店は普通に営業していた。
それでいい。
チーフは私を見つけて飛んできて礼を言ってくれるが、これも浮世の義理というものである。
こんなことで人の縁は続くのである。
中生と赤兎馬のロック二杯、おススメの鮃の造り、天ぷらを食い、いつも店にある大先輩の写真にお礼を言って店を後にした。
帰ってシャワーを浴び少し寝るつもりが気がつけば午前三時、パソコンを開くとGokuさんがこんなのを作ってくれていた。
大先輩であるGokuさんの書かれる文章が好きである。
淡々とした文章には味があり、とても博学で、愛犬の『ごくう』は賢く可愛らしい。
でも、こんな小説風なのが私の好みなのかも知れない。
Gokuさん、ありがとうございます!
不思議である。
会ったことも無い方々とのここでのお付き合いを不思議に思う。
電波でつながるこの世界にも浮世の義理を感じることを不思議に思う。
長い一日がまた始まった。