何もない日々のしあわせ
私のごく近い知り合いが言う。
真っすぐ生きてきたわけじゃないから、わかる、、と。
何かあってつかむ幸せ、それが本当の幸せなんだろう。
過去に何かあったから、今なにもない日々の幸せを大切に思い、
大切に出来るのだろう。
考えれば当たり前のことのようではあるが実際そんなことを意識して生きている人はいるのだろうか。
いてもたくさんじゃない。
流行り病で外で酒を飲むことが無くなった。
もう、この歳である。
浴びるようには飲みたくない。
美味しいもの、私の場合はふだん自宅では食べることの無いものを少し、
生ビール一杯、なんとなくハイボールか酎ハイを一杯、熱燗を一合ほど、それで十分である。
それで幸せだと思っている。
静かなカウンターでお店に迷惑にならなければ文庫か新書を開かせてもらって小一時間。
それが至福の時間かも知れない。
その時に幸せな時間を感じる。
多くの人と同じようにあまりに多くのことがあり、真っすぐ生きることの出来なかった人生を振り返り、今の幸せを噛みしめる。
飲みゃいいってもんじゃない。
酒は好きだが、特に酒に好かれたくはない。
片思いでいい。
少しの酒とともに少しの時間を、
戻ってきたこの時間を大切にしたい。
何もない日々のしあわせを感じたい。