サンタクロースはすり足でやってくるのか?
先週の記事、『クリスマスは関係なく、高齢者の転倒事故について、そして企業の経営姿勢』の最後で、すり足のことを別機会でお伝えしますと締め括りました。
なかなかこのすり足を武道を通してご理解いただくのは難しいかも知れません。
でも、武道に関係なく、私たちの日常生活でもこのすり足という言葉を使います。
この場合のすり足は筋力の低下によるものなのです。
高齢者がよくする足裏全体で床・地面を摺るような歩き方です。
この歩き方が先週記事の高齢者の転倒事故につながるものです。
ここで、ご注意いただきたいのですが、まだお若い方の中でもこのすり足で歩く方がいらっしゃいます。
知人に聞くと腹筋力の低下が原因で足が上がらなくなるそうで、女性であれば出産等がその引き金になることがあるそうです。
心当たりのある方は、決して病的な起因ではありませんので心配いりません。
腹筋を鍛える運動を行ってください。
意識して足はあげて歩き、腹筋だけではなく背筋も鍛え、全身のバランスの取れた筋力を維持してください。
さて、私たちがやっている合気道のすり足は剣術(剣道ではありません)を行う人間の足捌きに近いと思います。
合気道の成り立ちは、剣からも来ているからです。
相手(敵)と向かい合う際に半身の体勢を作ります。
肩幅に両足を広げそのまま立つのを自然体と言います。
そして、片側の足を半歩ほど前に出し構えた状態を半身と言います。
右足を出していれば右半身、左足を出していたら左半身です。
この半身はいわば戦闘体勢です。
相手(敵)と向かい合っているのです。
自然体は自身の幾つかの急所を曝け出してしまいます。
それを守るためにも半身の体勢を作ります。
そしてこの時には腰を落とします。
腰を落としたまま前後左右に移動するのです。
安定を保ちながら一番移動しやすいのがこの半身でのすり足なのです。
腰を落とした状態で自身の目線はずっと同じ高さで移動します。
能や狂言の役者がする移動と同じです。
足の裏の重心位置は母指球を中心の足裏の前部です。
下駄や草履、鼻緒のついた履物を履いたイメージです。
半身を構えた左右の足の母指球を中心に、くるりと180度目線を回せば真裏に向かい半身を構えることが出来ます。
この動きで360度、まわりを相手することが出来ます。
要は全方位を相手に戦うための足捌きなのです。
楽な動きではないのですが、同じ高さの座標軸を移動し、上半身も自在に動かすにはこの腰から下を落としての移動はすり足がベストになると思います。
さて、サンタクロースはどうやって静かな部屋で寝ている子どもたちにアプローチをするのでしょうか。
『抜き足、差し足、忍び足』なんでしょうが、ドリフターズのコントのように大きく足を上げてってのは無いと思いますよ。
暗い部屋です、想像してください。
腰は落としてつま先で異物の有無を調べながら進むのではないでしょうか。
その時の足は摺っていると思います。
AIによる夜間探査装置を持たない従来型のサンタクロースであれば、子どもたちに夢を与えるために真っ暗な深夜、摺り足でやって来るに違いないと私は思います。
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