クリスマスに稽古は終わり
12日25日、クリスマスの昨日は合気道の稽古納めの日、仕事を終えて朝一番、大阪阿倍野に向かった。
一人、初段の審査をした。この流行り病のために思うような稽古が出来なかったりもしたが、今年はこの彼を含めて二人の初段が生まれた。初心者ばかりでスタートした道場で初段を育てるのは決して楽ではなかった。お一人は76歳の後期高齢者の方、70歳でスタートし『年齢』という現実を抱えての挑戦であった。そして、昨日の彼は彼で生き方に難しさを抱えている。そんな中での彼の努力でつかみ取った初段は彼のこれからの人生に大きな励みになるんじゃないかと思った。
皆、口には出さないだけで何かを抱えて生きている。それを理由に何かに飲み込まれて生きることは考えようによったら楽なのかも知れない。でもそれではいつまでたっても同じ自分しかそこにはいないだろう。私たちが道場で行う合気道は武道であり、そこには『道』がある。畳の上での稽古だけが合気道ではないのである。亡くなった市橋紀彦師範から最後に頂いた「畳の上だけではない」というその言葉をこの歳になって深く噛みしめることが出来るようになった。
思えば長く稽古をして来た。武術としての合気道というものを技術として理解できるようになったのはつい最近のことである。そして、武道として、人の道としての合気道が今、しっくりきつつある。これを理解と置き換えるためにはまだまだ稽古を積まなければならないのだろうと思う。誰もが何かを抱え、それに打ち勝つように稽古するのと同じことなのかも知れない。
2022年の稽古は終わった。
夕方に近づく午後、帰りに祝いを兼ねて彼と二人で飲みに行った。
飲み過ぎたわけじゃないのだが、美味い酒はすぐに私の身体を駆け巡り、帰ってシャワーを浴びてベッドに横になった瞬間、死んだように寝ていた。