猫といきてきて
何度もここに書いているが、子供の頃から寝ていても気がつけば枕もとに猫がいるような生活をしてきた。
社会人になってからともに生活して来たのは一昨年末にあの世に行ってしまったトラと今いるブウニャンである。
どちらも両親が愛知県豊川市で飼っていた頃には外との行き来は自由で、二匹にとっては快適で気ままな生活を送っていた。
しかし、父が他界して大阪に連れて来てからはそうはいかなくなった。
二匹の母親のように交通事故などで命を持って行かれたくなく、家猫になってもらった。
老齢に近づくところ、ちょうどよかったのかも知れない。
最近ブウニャンがいつも私の見送りをしてくれる。
と言っても、目下玄関のマットがお気にで入りいつも玄関で寝ているだけなのだが。
寝ているだけだが、いてくれる、それだけでいい。
猫好き、動物好きは皆同じ事を考え、同じ事を感じているだろう。
帰れば家にいる。
腹が減れば寄ってきて鳴く。
静かになれば寝ている。
最近はこの一連の作業に病院通いと毎日の服薬が加わった。
月に一度の診察と点滴、朝夕半錠の服薬と点眼が加わった。
長生きのために我慢してもらう。
やっていることは人間となんら変わりはない。
人を癒す猫の力はモノを言わないからだと思う。
トラとブウニャンを見習って私も「そこにいるだけでいいですよ」と言われる好々爺を目指してみようかと、ブウニャンの寝顔を見て一瞬だけ頭をよぎった。