月は枯れゆき
枯れた月を見て酒を飲む
名も無い月の下で酒を飲む
月を見る用事があるわけじゃない
ただ寂しそうなお前を一人打ち捨てては置けないんだよ
ずっとずっとその昔、神と呼ばれるその方にお前はここで生きていけ、違わぬ道を毎日歩け、それが皆の力になる
そう言われた言葉を聞いていた
その日から一日たりとも違わずに、歩いたお前を俺は知る
だから俺はここにいる
だから、ここで飲みたいんだよ
名のある月ばかりが月じゃない
それは俺と同じこと
だから毎日毎日歩いてくれ
俺の先を歩いてくれ
お前が寂しくなったこんな宵
思い出してくれ、俺のこと
俺はいつもお前の下で一人静かに酒を飲む
いつもいつも俺は一人酒を飲んでいる
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