かわせみのやど
一昨晩、コメント欄でおりーぶさんに問われた、
宮島さんご自身を俳優さんに演じてもらうなら、誰がご希望ですか?
宮島さんの前でコーヒーを一緒に飲む女優さんは、誰がよろしいですか?
と、問われ、寝ぼけた回らぬ頭で俳優も女優もあまり知らないので
私は戦国の武士、相手は町の飯屋の娘と答えた。
でも朝、まだボケた頭で思い出していた。
時代劇は好きだった私は二十歳前後だったと思う、平岩弓枝原作の小説をもとにしたNHKのテレビドラマ『御宿かわせみ』を熱心にみた。
主人公の庄司るいに憧れた。神林東吾が格好よかった。
おりーぶさんの問いの答えにはならないが、神林は小野寺昭ではなくこの私、そしておるいはもちろん真野響子で夢の中での共演をしてみたい。
そして、コーヒーのお相手も、、、
おりーぶさんにここでお伝えしたい次第である、、
平岩弓枝の原作も良かったがドラマも好きで心から惹かれた。
『御宿かわせみ』の再放送でもやってくれないものかと思いながらいろんなことを思い出していた。
実は私は本物のカワセミ(翡翠)をまだ見たことがない。
美しいヒスイはいくつも目にしてきたのだが、、
台湾の母、黄絢絢さんが見せてくれた黄家に代々伝わる上手に煎った銀杏のように透き通る濃い緑色のヒスイの腕輪。
二人で行った故宮博物館ではヒスイからくり抜かれた白菜とバッタを飽きることなく眺め続けた。
そして、写真で見るカワセミはそのどちらにも負けず劣らず、まるで空飛ぶ玉である。
か・わ・せ・み、と乾いた四音も心地良い。
カワセミがいそうな渓谷に、子供の頃、嫌な事を忘れるために一人で自転車を走らせた。
子どもの私で片道二時間の距離。
いつも誰もいない私だけの空間がそこにはあった。
水の流れや音は心を和らいでくれる。
緑の中での時間は私に勇気をくれた。
カワセミはあの不釣り合いに大きなくちばしで、出来るだけデカい獲物を狙うためにジッと木の枝に止まっていたのかも知れない。
私は知らぬうちにカワセミに迷惑をかけていたのだろうか。
私がいなくなるのをジッと待っていたのかも知れない。
でも、その時にカワセミに出会ってなくてよかったかも知れない。
緑の中で飛ぶ玉は私の心をさらに落ち着かぬものにしていただろうから。
私が行く場所ではなくなっていたからかも知れないから。
そんな私のことを気遣ってカワセミは鳴くこともなく私を見守っていてくれたのかも知れない。
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