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みらいのかたち

知らない事が多すぎる。
サラリーマンをやめてから時々商業用の文章を書かせてもらっている。
ゼネコンや設計事務所の営業をするには世の中の動き、関係する不動産や産業に関する知識・情報ばかりでは本当の経営者と話は出来ない。

だから何にでも興味を持って調べる癖がついている。
対価のための文章であるこの商業文章は面白くない。
自分が企画・開発するわけではないから、今出そろった情報を上手に並べるだけである。
世にたくさんあるそんなキュレーションなる文章に私は面白さを感じない。
しかしながら中にはそこから先の予測をしなさいと言ってくれる発注者が時々いる。

あたらしくなった総理大臣が「脱炭素」を宣言し、2035年には間違いなく化石燃料で走る自動車は無くなるであろう。
各業界がそれに向かって進み出している。
地球はガラガラと音が聞こえるぐらいに傷みだしているのに体裁程度の環境保全や対策にしか各企業は自発的には乗り出さなかった。
国の定める範囲内だったのである。

今回の一足飛びの「脱炭素」で近未来の皮算用の狂った企業は沢山あると思う。
まだ、自社の利益優先なのである。
利益のために出来るのにやらないのである。
このことは間違いなく間違っていると思う。

そんなことを考えながら、ここしばらく新しい物流という命題で文章の構成を考えさせてもらっている。

そして鉄道も変わる。
私はもともと横文字は苦手であるが、『ハイパーループ』なる夢のような高速輸送システムが実現化しつつあるのをまったく知らなかった。
時速1,000㎞で移動するカプセル型の乗り物だそうである。
英ヴァージングループがラスベガスで有人の実証試験を行なっている。
真空に近い管の中のカプセルが限りなく摩擦や空気抵抗の少ない中を飛ぶように走るのである。
リニアモーターカーの倍の速さである。

国によってさまざまな事情があるのだろうが、どうしてこのような移動手段が必要となるのか私にはわからない。
在来線の新快速で大阪から京都まで行くくらいの時間(30分)で大阪から東京まで行ってしまう計算となる。
NHKの朝ドラ『おちょやん』の録画を2本観ている間に大阪から東京へ行ってしまう。

のぞみが主流になった頃から大阪東京間の出張は日帰りとなった。
それまでは必ず泊まりであった。
世の中も大らかで、宿泊費は定額を現金で支給されたから朝まで飲んでホテル代を浮かすのも本人の勝手であった。
私はもっぱら大学時代の友人の部屋に転がり込み二人での飲み代に使った。

東京まで泊まりで出張していた頃は違う世界で働く同級生達と情報交換して、新橋のガード下や歌舞伎町で未来を語り、自身を鼓舞したものである。
そんな時間が生まれなくなって久しい、そして更に拍車をかけていくのがこの『ハイパーループ』や『リニア』であろう。
何でも良い事と悪い事を併せ持つ。
だから悪い事ばかりではなく、良い事に目を向ければいい。
この『ハイパーループ』なるものが大阪東京間に登場すれば合気道本部道場の朝稽古に通えるようになるなぁ、と思った。
梅田に出て行く感じで、大学のある東京の江古田までちょっと飲みに行くのも可能である。
てなことを考えていたらワクワクしてきた。
(交通費と飲み代との費用対効果はべつとして、、)

誰か真剣に日本で取り組んでくれないものだろうか。

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