朝のぎしき
雨音で目が覚めた。
早い朝の時間である。
歳をとり早くに目が覚めるのは体力が落ちて眠りが浅くなっているというが、私の場合、割と若い頃から早起きだった。
早い時間が好きであった。
本を読む、手紙を書く、部屋を片付ける、そして考え事をする。
要は自分の時間である。
今朝は早くから考え事をしていた。
目下、考え事と言えば自分の残りの人生である。
まだしばらくは元気そうである。
同年代以上に体力もあれば、早くに浴びるほど飲んでいた酒を飲まねばやっていけない仕事から離れたおかげで、内臓も血液も正常値に戻り推移している。
では、ここで何を始めるか、ここから何をやっていくかである。
サラリーマンを続けていれば何も考えることなく定年まで、そしてその後数年はそのまま会社で安穏と過ごしたであろう。
それを考えれば早くから考え始めたからよかったと思いつつも、未だ結論は出ない。
家族の介護・看病を大義名分にして思考を停止してしまったのはよくなかったと反省している。
今頃こんなことではダメだと思いつつも、現実をひたすら前に進むしかない。
時にそんなストレスを感じながら弁当を作ってみたりする。
私にとって料理は精神のバランスを取ってくれるサプリメントかも知れない。
全く違う脳が動いているのがわかる。
そしてしばらくその切り替えが持続出来ると新しい考えが頭に浮かぶ時もある。
美味しいものを食べてストレスを忘れている時もある。
料理は回りの人ばかりでなく、自身も幸せに満たしてくれる私のサプリメントである。
自分の弁当を自分で作る、これは簡単で楽しくていい。
玉子焼きと梅干があればいい。
それで十分である。
そして、一日がスタートする。
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