見出し画像

リモートワークを導入したときのお話

このnoteは、僕が、前職(500人規模のIT企業)でリモートワークの制度を導入したときの様子と、その他の企業で導入された事例をセミナーに参加して聞いてきましたので、その内容を記載しています。

前職で導入したときの経緯は、役員から導入指示があった、という状況で、労務担当者と協力しまして、僕は社内IT環境を整えていきました。

基本ルールや、苦慮したことなど記載していきます。

基本ルール

・月4回まで
・午前リモート⇒午後出社、午前有給⇒午後出社なども可能。
・前日に業務予定をマネージャーに報告(ccに労務担当者と管轄役員入り)⇒完了報告もメール必須。
・新卒社員は3年目から可能、中途社員は1年経過後から可能。
・勤怠不良者や電車遅延での遅刻が多い人は、改善されるまでリモート不可。(労務担当者にて判断)


苦慮したこと(社内ITまわり)

・ビデオ会議システムをチャットワークや、Gsuiteのハングアウトmeetを利用していたが、うまく接続できないことが多々あった。
(特に3人以上の接続の場合/結果、改善できずLINEの無料通話だけなどでしのいでいただいていた)

・ノートPCは、予算の兼ね合いでマネージャー職以上にしか配っておらず、リモート希望者には都度、ノートPCや、モバイルルーターを貸し出ししていた。
期限内に返却してもらえずに、次の利用予定者が使えない、といったことが発生することがあった。

・貸し出し用ノートPCから、VPN接続して、会社の自分のデスクトップPCにリモートデスクトップしてもらっていた。
マニュアルは作成していたものの、初回、VPNの接続の仕方や、リモートデスクトップがうまくできない、といった問い合わせが、なかなか減らなかった。

■リモートワークを導入してよかったこと

・従業員の方のワークライフバランスが向上している雰囲気を感じたので、リモートワーク施策の達成感があった。


・自分がリモートワークする際は、平日の日中に、Amazonの荷物を受け取れたり、洗濯まわせたり、実家帰省時にリモートして長く滞在できたりできて、うれしい制度だった。

その他ネガティブ意見


・コンテンツを作る側のPM担当者は、下につく人にできる限り長時間働いて、成果を出してほしいという雰囲気があった。
(基本的に前年比や前月比で目標数値が決まると、前年は40時間残業しているのに、残業少なくして同じ利益/売上は難しそうではあった。)
リモートワークすると、基本的にあまり残業は推奨していなかったので、その想いには反する形になってしまう、とは思われました。

以下、THE リモートワークというセミナーに参加した際のレポートです。


セミナーレポート:株式会社トレタ 様

■目的
・環境変化によって柔軟な発想の機会を作ること、移動コストの削減。
・有事対策(オリンピック期間のリモート推奨や、自然災害、ウィルスなどの影響を考慮し、BCP対策)

■導入経緯
・社長が自由をもとめる人だった。
・各マネージャーも成果あげてることが一番というマインドが多かった
・オフィスが駅から遠いので、夏あつくて出社したくないという声あり。


■運用ルール
基本ルールつくったけど、セールス、マーケ、開発、コーポレートの部署ごとに部長決裁で独自ルールにした。
・営業部:リモートは各自の判断でOKだが、体調不良や、家族介護、保育によるリモートは禁止。
・事業開発部:1日リモートは週1回まで。
・情シス:オンサイトサポートが必須の部署なので、1日にリモートできるのは部内で1人まで、など。

⇒この部署ごと独自ルールというのが一番の収穫でした。部長がうちの部署は禁止といえば禁止、部長が、うちの部署は回数制限も、報告ルール運用も不要、目標だけしっかり達成してね、でOKのところはフリーなど。


■2019年12月にリモート推奨ウィークを実施した際のヒアリング結果

~リモートできなかった人の声~
・たまたまリモートウィーク時に出社して対応するべき業務があった
・定常業務が出社しないとできない
・派遣社員の管理のため
・立場上、有事の際の対応にしやすくするため

■その他懸念点や現場の声
・コアタイムが11:00-16:00であるが、ときどき、AMリモート、午後出社してくる人の中で、「おまえ寝坊したから急遽AMリモートにしただろ」的なムードある。
(でも性善説にもとづいて、社員を信頼する、というカルチャーにすることが管理工数はかからず、楽。)
・あたらしく入社してくる人は都度ちゃんと説明しないと自走するカルチャー伝わらない。

■今後の改善要望や解決すべきこと。
・ビデオ会議は5分前に入っておくなどのルール徹底
・1人で働くと憂鬱になる、という人がいるのでサテライトオフィスが必要かもしれない。
・リモートを柔軟な発想や、働きやすさ、ではなく、義務だから仕方ない、と思う人もいる。
・オンサイト対応が必要な業務を行っている人との不公平感解消。

■結局生産性はあがりますか?
・会社で働こうが、リモートだろうが、生産性たかいひとはいつも高い。
⇒リモートワークは、結果だしてる人が、より会社に魅力を感じて、生産性高く働いてもらうためのメリットががある制度。つまらないルールつくって、結果だしてる人が萎えないような制度がよい。


セミナーレポート:Sansan株式会社 様


■リモートワーク導入経緯
徳島県に神山ラボという保養所的なオフィスがあるそうで、1週間、その保養所で制作に専念してきます、みたいなことをリモートワーク前からやっていた。ラボいくと生産性いいね、みたいな雰囲気がただよっていた。


■基本ルール
・前日にリモートで業務する内容を、マネージャーに報告→承認を得たうえでリモート可能。
・入社6か月たってからじゃないとリモートできない。
・リモートは月4回まで。
・ビデオ会議は、効率化のため資料事前共有必須。

■リモート制度ネーミング
・イエーイ:1日リモート
・イエーイハーフ:家族や自身の都合で終日出社は難しいが自宅であれば、通常勤務と同等の生産性が保てる場合。
・イエーイbaby:妊娠期間中のリモートワーク可

(家族都合を寛大に許容されているようでした!)

■今後の改善事項
ビデオ会議の、マイク小さい問題に苦慮した。全社会のような会を、家からビデオ会議で参加する際など、音声がクリアになるよう工夫が必要。



セミナーレポート:株式会社プレイド 様

所感

・フルフレックスを導入中で、45時間以上残業にならなければ、所定労働時間足りなくてもOKなどリモートも含めかなり自由。

監査も問題なく通過している、とのことです。自走するカルチャーが根付いていているからこそ、できる雰囲気でした。そのためリモートに関してもあまり支障なく開始できる。

※リモートワークデメリット
・人が増えてくると、カルチャーの浸透が薄まって、リモートでさぼる人も出てきそうなので、定期的な意思統一の施策が必要。(目標達成ちゃんとしてくれればOK)

・オフィスに出社すれば、PCが社内WiFiにつながったら、出勤打刻 > 切れたら退勤だけど、リモートだと自己申告で、ずっと勤怠つけてなくて、最終週に、45時間こえるじゃん、みたいなこと発生するリスクあり。

・エンジニアはリモートむいてますね。営業の新人の方とか、いらないですよね。執行役員以上のレイヤーの人は基本会社で働いてる、とのことです。


全体を通しての個人的な所感

・リモートワークは、直接の会話、大きなモニタ、快適なネットワーク環境、座り心地のよい椅子などがなくなり、生産性は低下すると思います。

(家だと話しかけられなくて、業務が捗った、という声があると思いますが、オフィスでも、基本、いますぐどうしても聞かないといけないこと以外は、話しかけないで、チャットで一声かけてから、などのルールだったり、集中部屋にこもるカルチャーを作ったら、そのほうがよいと思います。)

・創業してから、モーレツにがんばってきて、営業利益も余裕があるので、ワイフワークバランスのため、福利厚生的な意味合いで、リモートワーク導入しよう、といった雰囲気がよいのではないかと思います。最初はやはり顔をあわせて、団結していかないと、仕事への情熱は生まれにくい、と思います。

・リモートワークだと、サボっているのではないか問題にならないよう、クォータごとの目標作成の際、年収に見合った難易度になっているか、評価者と被評価者のすり合わせが大変大切だと思います。
目標およびアウトプットは他部署にも公開して、透明性を確保して、大幅達成の際はインセンティブ、大幅未達者は、ちゃんと評価が下がっているというプロ野球選手のような見せ方が公平感があってよいとは思うのですが、なかなか難しいでしょうか。(評価制度のお話になってしまいました)


以上です。ハイスペックで、何かを成し遂げたい人がたくさん集まる会社は、リモートワークの導入が簡単だと思います。そのような人達が集まるようなコンテンツを作ることが、まず大事だと思いました!(1番難しいですね)

いま働いている会社は、未導入なので、導入の方向に向かっていく際には、また尽力したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?