企業の行動指針について
このnoteは、IT企業の行動指針をとりまとめています。スタートアップの会社で、「企業理念」はあるけど、「行動指針」はどんな文言がエモいのか、検討されている方などに向けて記載しています。
わたくしは現在、正社員数100名規模の創業7年目の会社で業務しております。2020年1月に、創業者の方から
「これからさらに会社のクリエイティブの質をあげて、お客様満足度や、会社の向上を目指していくためには、従業員一体感が必要だと思う」
という一声があり、各部署から、10名ほど集まり、施策を考えていきました。
※今までわたくしはスマホアプリをメインにしている会社で3社働いたのですが、前提としまして、スマホ系IT企業は挨拶をしない文化になっていることが多いです。(おそらく学生のころ体育会系で育ってきた方の比率が少ないからだと思います)
施策を考える中では、
「自己紹介社内ブログをやってみよう」「社長賞を作ろう」「社内サークルでプライベートでも遊ぼう」「Uniposを導入して感謝を伝えあおう」などなど、一般的なお話があがっていったのですが、
『自己開示する必要性を感じない』『プライベートでも会社の人とつるみたいわけじゃない、仕事で成果が上げられればよい』
といった、一体感施策がネガティブ、と思われる意見もあり、これはまず、創業者の方が、
「業界のイノベーションを起こそう!」
とか
「自走するプロフェッショナル集団になろう」
など
サービスに関する内容ではなく、
「人と人のコミュニケーションを弊社は大切にする」という行動指針を、創業者の方が掲げるかどうか、がまず重要だと感じました。
そこで、「この世の中には、ともに働く従業員の人と、ちゃんと挨拶して、仲良くしよう!」みたいな行動指針の会社があるのかどうか、調べてみようと思った、という経緯となっております。以下、調べた企業の抜粋です。
■ミクシィ
https://mixi.co.jp/company/philosophy/
誠実に真摯に -Integrity-
どんな時、場面でも、高潔・誠実・真摯であること。 仕事を行う上で、社内外はもちろん、 ユーザーに対しても持ち続けなければならないもの。 その強い意思を込めた言葉です。
創造し続ける -Be Creative-
頭の中には無限の宇宙がある。 一人ひとり、個々人がサービスを創っていくこと。 新しいものを生み出すために、自分の頭で考え続け かつてない発想に到達して、実行していくこと。 そんな我々の思いを込めた言葉です。
最初に行動 -First Mover-
新しいことを最初に考え、立ち上げ、広める者。 環境や時代の変化を洞察して、 ユーザーのためにいち早く行動できる人間。 我々のありたい姿を表現した言葉です。
全てを包み込む -Inclusiveness-
カルチャーや考え方が違う仲間がいても、 個性を大切にし、それを包み込み、よりよく昇華していく。 我々の個性豊かな姿を表現した言葉です。
※所感※
謙虚さ、イノベーションを起こすアイディアを考え実行する、分析する、弊社はこういう社風です、ではなく違う考えの人がいても包みこむ、の4点でした。「高潔・誠実・真摯であること」というのが、コミュニケーション部分になるのかもしれません。
■メルカリ
https://about.mercari.com/about/
大胆にやろう
世の中にインパクトを与えるイノベーションを生み出すため、全員が大胆にチャレンジし、数多くの失敗から学び、実践します。
All for One 全ては成功のために
一人では達成できない大きなミッションを、チームの力を合わせ、全員が最大のパフォーマンスを発揮することで実現します。
Be a Pro プロフェッショナルであれ
メンバー全員がその道のプロフェッショナルとしてオーナーシップを持ち、日々の学びを怠らず、成果や実績にコミットします。
※所感※ 結果が出せない奴はいらないよ、といった雰囲気ですが、「チームの力をあわせ」という文言がコミュニケーション部分としてありました。
■サイバーエージェント
maxims というのが行動指針的なものみたいです。
(あまり具体的な行動事例は書いてないみたいですが、以下スライドに事例が書いてありました)
https://www.slideshare.net/tetsuhitosoyama/top-sver2
1. オールウェイズ・ポジティブ、ネバーギブアップ
2. 行動者のほうがかっこいい
3. 新しい産業を、自らの手で創るという誇り
4. 一流の人材がつくる、一流のチーム
5. 挑戦した敗者にはセカンドチャンスを
6. 最強のブランドを目指す
7. 常にチャレンジ、常に成長
8. 若い力とインターネットで日本を元気に
※所感※
スライドの詳細には、一体感を高めるための施策が多々書かれていますが、行動指針としては、従業員同士のコミュニケーションに関する記述はありませんでした。
■DeNA
DeNA Quality ~Delightにまっすぐに向かうチームであるために~
https://dena.com/jp/company/policy/
「こと」に向かう
本質的な価値を提供することに集中する
全力コミット
球の表面積を担うプロフェッショナルとしてチームの目標に向けて全力を尽くす
2ランクアップ
自身の二つ上の視座を意識して仕事に取り組む
透明性
チームで成果を上げるために、正直でオープンなコミュニケーションを心がける
発言責任
役割にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す
※所感※
正直でオープンなコミュニケーションを心がける、と記述がありました。
■スクエニ
https://www.jp.square-enix.com/recruit/vision/
プロ意識
私は、プロ意識とは当事者意識のことだと考えています。
誰かにやってもらおうというのではなく、自分のこととして全てのことを考えるというのが大前提の意識だと思います。自分のことだからこそ諦めずにこだわり抜く、その結果として、プロの仕事が導き出されます。
創造性・革新性
世の中と同じスピードで何かを行っても、それは創造的でも革新的でもありません。
創造性・革新性を求めるというのは、割とハードなミッションだと思います。世の中の変化のスピードよりも早く、と言っているわけですから。しかし、これができた時にこそ、私たちは世の中に「驚き」や「感動」や「喜び」を与えることができるのです。
調和
私たちの仕事の中で、ひとりで出来る仕事はありません。 言うべきことを言い合いながらも、仲間を尊敬し、お互いの意見を尊重する精神がなければ、良いものは絶対できません。
昔はひとりの天才の手によって全部できてしまうことがあったかもしれません。しかし、スクウェア・エニックスは社会的影響力のある会社に育ち、簡単には作れない規模、クオリティのものを扱っています。そうなった今、社内の調和だけでは無く、協力会社やパートナーを含め、調和が大切です。
この調和があってこそ、最高の物語が創られるのです。
※所感※
調和、の部分に、仲間を尊敬、などコミュニケーション要素がありました。
■アカツキ
アカツキハート (カルチャーブックになっているそうです)
https://aktsk.jp/company/document/
組織ビジョン:成長し、つながることによって幸せを生み出す組織
※所感※
つまらなそうに仕事して、週末だけ楽しむ人生なんて、もったいないと思いませんか?と問いかけており、仕事にある程度人生を捧げる人を求めている印象。その後、各項目で、メンバースタイル⇔サポートスタイル といった形で、メンバーとMGRの在り方、が記載されていて、大変わかりやすい。
「リーダーは、メンバー間のコミュニケーション量を増やし、気軽に話せる雰囲気を作る。」という文言もあり、チームワークをこうやって増大させよう、といった具体的な指針が記載されている。
■GMO
スピリットベンチャー宣言
https://www.gmo.jp/brand/sv/
※所感※
働いていたわけではないので、実態はわかりませんが、具体的にこんな行動を求められる、ということが記載されていて、素晴らしいです。 【魅力あるヒトになろう 】 の下りが特に素敵で、仲間とは挨拶しよう、などの文言もありました。
まとめ
IT企業は、成果主義、ドライな人間関係、のようなイメージがありましたが、「仲間!」といった言葉で、エモい行動指針を掲げている企業も多々あるようでした。
個人的には、GMO社が一番好きでした。
カルチャーブックに製本までしている、アカツキもすごかったです。以下アカツキ創業者の方の、本の解説です。
https://www.youtube.com/watch?v=U6JE6MExyvc
会社が起業したてのころは、創業メンバーが社長のカリスマ性に惹かれて集まって、ワイワイやっていけるのですが、事業を大きくしようと、100人くらいになると、その一体感がなくなる、というのは、まさに今働いている会社だったり、ほかにも、多々あることのようでした。
天才を殺す凡人という本の解説動画も勉強になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=X_7SPr_DyHE
ベンチャー(中小)は社長が10割と、言われたりもするようなので、その社長の想いに、少しでも協力できるよう、取り組んでいけたらと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?