チェックバックの「Before・After」
・・・
はじめに
新卒でエムハンドに入社し、デザイン歴8年の徳谷です!弊社では、デザインの品質を担保するため、組織全体でフィードバックをする文化と仕組みのブラッシュアップを続けております。私はトップデザインを担当しており、予算を基に算出された工数内で、デザインの品質向上に向けた取り組みを行っています。今回の記事では、チェックバックの「Before・After」に焦点を当て、デザイナーの視点から改善の過程をご紹介します。
01. 自己紹介
まず簡単に自己紹介をさせていただきます。
2015年に新卒入社した、エムハンドのデザイナー8年目の徳谷です。
得意とするデザイン系統は「明るい、親しみやすい、ポップで明瞭」で、少し苦手なのは「しっとり、男性らしい力強さ、高級感」などです。苦手なものを意識することで課題が浮き彫りになり、課題を認知することで得意とするものも精度があがる。そう信じて、日々より良いサイトを制作できるように邁進しています。
新卒入社当初は、取り入れるデザインに偏りがあり…ストックの幅が狭かったことで「高級感」を細分化した豪華、洗練、重厚、良質、ラグジュアリーなどのキーワードの解釈、対象ユーザーの設定が曖昧で、どこに軸を設定すのか? 核心を掴みきれないまま制作に入っていました。
分類を知らなければ引き算もできない。好奇心の幅を広げ、積極的に世界を理解する枠組みを広げ、デザインのアウトプットに繋げることで、エムハンドでの制作を今でも楽しめているように感じます。
02. TOPデザイン制作の流れ
弊社のTOPデザイン制作・クライアント提出までの流れは「エムハンドのデザインができるまで」にまとめております。今回は②~④に当たる箇所「チェックバック・ブラッシュアップ」をメインに詳しくご紹介します。
< 方向性の「軸」を決める >
まずは、デザインの方向性・完成の指標となる軸を設定します。着手前に担当ディレクターとミーティングを行い細かい擦り合わせをしていきます。デザインの方向性を定め、言語化していくことで、制作(やることを細分化)して具体化していきます。
03. チェックバック・ブラッシュアップ
いよいよ、今回の本題である「チェックバック・ブラッシュアップ」になります。デザイン部の上長・アートディレクターである岩松さんに、作業進行の中でチェックをしていただきます。案件によって異なりますが…方向性を崩さず、あるものに加点をすることを重視しながら、平均して3回のチェックバックとMTGを重ねております。また、このプロセスは全ての社員に見える化されており、「はじまりとおわり」の状態をシートに蓄積して確認できるようになっています。ここからは、私が担当したトップデザインの事例を元にBefore・Afterをご紹介いたします。
< TOPチェックバック① >
地域に根差した歯医者さんのトップデザインをチェックバック頂きました。
▼ 作業進行の中でいただいたチェックバック
▼ Before/After
余分な箇所はシンプルに整えることで、全体の曲線を際立たせ、温かみを出していきました。考えるデザインとは、形の必然にたどりつこうとする意識そのもの。要素を取捨選択することで、最適を探していきます。結果としてお客様にも大変喜んでいただけました。
また、デザイン部全体で「結果管理を大切にしていくべきだ」と岩松さんに指導をいただいております。公開されたサイトを元に自分自身にFBをおこなうことが客観的な視点を養うことに繋がる…とのことで、私自身も公開されたサイトを元に、課題感の確認と次のチャレンジポイントを見出していたりします。下記は岩松さんのXでの投稿になります。
< TOPチェックバック② >
ゆっくり時間を忘れて本を読んでいると、窓からの木漏れ日が手元に落ちてくる。自分で光を発するPCやスマホでない本だからこそ、感じれる光や実際に手に取った質感があります。「本を通して豊かさを届ける」というキャッチコピーを軸に添えて、デザインを進めました。
▼ 作業進行の中でいただいたチェックバック
▼ Before/After
< TOPチェックバック③ >
お客様、従業員、取引先のそれぞれの喜びが連鎖し、社会が発展する。 「おもしろい」から柔軟に新しい未来を創造し、共に繁栄する未来を想像させるデザインを目指しました。
▼ 作業進行の中でいただいたチェックバック
▼ Before/After
< TOPチェックバック④ >
ドローン点検だけでなく最新の試みは不安を伴うもの。 空からのドローン視点の画像を配置するなどで点検のイメージを醸成し、担当者がワクワクするような、お申込みの一歩を後押しできるデザインを目指しました。
▼ 作業進行の中でいただいたチェックバック
▼ Before/After
4点チェックバックを挙げさせていただきましたが、方向性を無理に変えず「自分の中で定まらなかった違和感や方向性をバチッと言語化」してくださるので、その後の調整もしやすくなります。ディレクターから頂く資料から方向性がうまく読み取れず、元々の方向性に迷いのある箇所は、岩松さんとミーティングを行い方向を定めていきます。
04. 私のデザイン「補強ポイント」
下記2箇所が私が特に指摘を頂きがちになるので、制作時に気を付けてデザインしている箇所です。チェック頂くことにより、苦手箇所が「見える化」していくので重点的に補強をしていきます。
< エグミ・出力調整 >
メリハリを意識しすぎてエグミを出してしまうことがあります。
初稿ではメッセージ箇所を魅せたいあまり、濃い色味のグラフィックを置いてしまい、結果的に文章に目がいかずグラフィックが悪目立ちしています。見せ場のブランド箇所も背景の色味が汚く、飲食店の美味しさを損ねてしまい改善が必要です。チェックバックを元に各所の出力を調整。色味も清潔感を意識して再調整していきました。
▼ Before/After
< 俯瞰視点での下段調整 >
特に長さのあるLPは後半にかけて力尽き、密度が薄れていくことがあります。 俯瞰の視点を持ち、下がグラつかない安心感のあるサイト作りを目指します。下記では特にフッターあたりが弱くなっていたので、CVを際立たせるために背景を紺に変更しています。
▼ Before/After
04. おわりに
エムハンドデザイナーとして、これから先も意識していきたいことを2点。
< 取捨選択が出来るデザイナーへ >
ディレクターと共に情報を取捨選択し、心を動かせるデザインへ。ただ、盛り込むのでなく、取捨選択をしていくことで必然を探していく。チャッチの文章や構成はWFからより良い改善は見込めるか。自らの領域で主体的に動き、提案していくことでより魅力的なサイトを作っていきたいと思います。
< あらゆるデバイスで最適を >
スマホで見られることが年々多くなってきているなかで、よりスマホで「楽しく」「読み進めやすい」サイトを目指したい。UIをより意識しスマホが置き去りにされないデザインをしたいと考えています。
今年からFigmaを取り入れたことにより、コンポーネントによる効率化が図れ、ブラッシュアップもしやすくなりました。より素敵で、心を揺さぶるサイトを目指し、自分自身もデザインを通して成長できるように楽しみながら邁進を続けます!最後までお読みいただきありがとうございました。