おねショタ108式の60『僕と君のオペラ』
星間航行技術の発達により、人類の行動圏は飛躍的に広がった時代のはなし。
技術拡大の結果として生まれた職業が、未開の惑星を見つけるプラネット・ハンター……あるいは、スペース・カウボーイと呼ばれる者である。
そしてそれから数世紀……雄大なる宇宙は、まだまだ人類の挑戦を待っていた。
主人公は、個人でスペース・カウボーイを営む妙齢の女性である。
大昔に数度探索が行われていたが、めぼしい惑星がないと言われていた宙域に、彼女は敢えて挑もうとしていた。
確たる理由はない。スペース・カウボーイ……女性だが……の勘が、行けとささやいていたのだ。
個人宇宙船「Wish」にのりこみ、自律マシンマインド「文(ふみ)」と共に星海へと飛び出した彼女は、さしたる障害もなく目的の宙域に到達する。
すると簡単に……余りにも簡単に未開惑星をみつける。
過去の探索者はなにをしていたのか。
そんなことを考えつつ地上へと降り立った彼女は突如襲撃を受け……気付くと見知らぬ小屋の中で寝ていた。
小屋を抜けだすとすぐに、純粋な地球人種の集落であることを知る。
そして、襲撃をしたのは、同じく地球人種の別のグループなのだと。
この惑星は探索の最初期に見つかった惑星であり、当時としてはあまりに良好な環境のために母星への報告もしないまま彼らの祖先が定住したのだという。
自然回帰主義者の彼らは、もはや宇宙へと上がる技術も持っていなかったのだが……。
そこに再度探索しに来たのがグループB。つまり襲撃をしたグループなのだという。
だが彼女たちは航海の途中で遺伝子に変質を受け、男性の出生率が非常に低い体質になってしまったらしい。
そこで男が足りなくなると定期的に集落を襲い、若い順に男性を攫っていくのだという。
……そう、たまたま降り立った、あのときにも。
集落に住んでいた少年は、突然連れ去られたかと思うといつのまにやら知らない村で軟禁されていた。
話にしか聞いてなかったが、男狩りだと、思う。
その話によれば、この先精も根も尽き果てるまで女性らに搾り取られ、死んでしまうのだという。
そんな話を思い出した彼は身震いをするが、何を搾り取られるんだろう。血液? 痛いのはやだなあなどと考えていた。
そこに同世代くらいの少女が入ってくる。気を失う前にうっすらみた、女性らと同じような露出度の高い服を着ている。
なんとか懐柔しようと話しかける少年だったが、少女は何も言わずに彼の衣服をひっペがし、股間のものをしげしげと眺める。
あるいはつついたり息を吹きかけたり。
その刺激に思わず反応した少年のものを少女は無造作に掴んで……悲鳴を聞きつけた年長の女性に止められるまで弄んだ。
そして数日後。
調子を取り戻した主人公は、集落の長からどうか彼女たち……アマゾネスから少年を救出することを引き受ける。
この星をそっとしておく代わりに大昔の人々が持ってきたらしい金目の物を貰い受ける端数のために。
不意打ちさえなければと真正面から挑み、次々アマゾネスらを打ち倒していく主人公は、最後の最後に残った若き族長との一騎打ちの後に少年を救い出す。
しかし誤算は、少年が主人公と共に宇宙を旅したいと言い出したことだった。
少年は話をしていたのだ。
アマゾネスたちが集落を襲うのは本意では無いこと。遺伝子異常により両性の出生率が悪いのにかなり短命であること。
その証左に、主人公も集落の者たちも、多少の怪我こそあれ一人の死人も出ていないことをあげた。
たしかに、主人公の戦った感じなら一度襲撃して集落を壊滅させるのも簡単なように思えた。
かくして少年は集落に別れを告げ、遺伝子治療のできる装置を求める旅に出る。
そして主人公の彼女も、それに同行する。
「君の知らないことをいっぱい教えねわ。いっぱい、ね」