おねショタ108式の70『水練と女教官』
とある王国でのはなし。
主人公は兵士見習いの少年。
まだ訓練中の身で、実戦経験はない。
とある夏の日、少年を含めたひよっこたちが池の近くに集められる。
女教官いわく、教練の一環として、水泳をやるとのことだ。
しかし水着というものはこの世界のこの時代にはなく、かつ彼らが目指すのは軽鎧を着たままでの水泳である。
その第一歩として、アンダーウェアでの訓練をするわけだ。
中には川遊びもろくにしたことのない者がいる彼らだったが、身体にまとわりつく衣服を邪魔に思いながら所定の訓練を受けていく。
少年もそつなくこなしていくのだが、突然ふくらはぎに激痛が走る。
知っていればなんともないことだが、水中で足が痙ったのは初めての少年はパニックを起こし、足の届かない深さだったこともあり溺れてしまった。
それを助けるために飛び込む女教官。
しばらくの後、少年は女教官の膝枕のうえで目を覚ます。
いつも厳しい彼女のことだから、激しく叱る一言がくるかと思えば、心から安堵した声を出す。
彼女は将来の、そして今生きる命を助けるために彼らを鍛えているのだ。
そのことを理解した少年は、なんとなく同時に、彼女のことが愛おしくなっていた。
もちろん数拍後にはド厳しい叱責の声が響くのだが、彼はちょっとだけそれが嫌ではなくなっていた。
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