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おねショタ108式の72『幼年期の少年』

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地球規模での紛争の中、滅亡寸前の世界に現れた革新者により人類が統一世界を築き、数世紀。
外宇宙への扉が開かれ、賑やかになった時代のはなし。

主人公は、太陽系外からの玄関口である【トラベラーズ・ゲート】を管理する木星コロニーの、イチ女性職員。
ある日の「ゲート」は、緊急ワープしてきた宇宙船団の対応で大忙しであった。
宇宙船からオートパージされた救命艇の一つを担当した主人公は、救命艇内に一つの生命反応があることを感知し、コロニー内に引き入れる。

各種検査の後、救命艇の中へ足を踏み入れた彼女は、一人の小柄な人物が倒れていることに気付く。
そして助け起こすと、目を覚まし、彼は言う。
「ママ?」

宇宙船団全体の事後処理が終わった後になっても、少年の家族は見つからなかった。
加えて一時保護施設がパンク状態のため、暫くの間だけでも少年を預かるよう命じられた女性は、少年との同居生活が始まる。

事故のショックの影響で「刷り込み」されたかのように女性を慕う彼は、なんの悪意なく彼女と積極的に肌のふれあいを求める。
なついてくれるのは嬉しいのだが、当然恥ずかしい。彼女は距離を置こうとするものの、地球人よりだいぶ大きな瞳に悲しげな色が浮かぶと、つい……。

そしてしばらくの後、別れの時が来る。
少しだけ昔のことを思い出し始め、「刷り込み」も解け始めた少年だが、それを超えて女性への親愛の情は深い。
別れたくないと悲しがる少年だったが、女性は必ず迎えに行くと約束し、別れる。

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むつぎはじめ
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