おねショタ108式の54『バグズ・ラブズ』
地球人類が植民惑星開発に乗り出した時代のはなし。
母船から先んじて対象の惑星に降下した一団は地上に生活コロニーを建造する。
しかし、完成も間近となったとき、彼らは原生生物に急襲された。
建築物資にペイロードを割かれ、最低限の自衛手段しか持たないために、相手は原始的な装備にもかかわらず数人の人々がさらわれてしまう。
主人公は、その一人だ。
地中に築かれたその都市は蟻の巣によく似ていた。
ただし、規模は段違いの。
その都市を築いたのは虫型の知的生物。
捕まった少年は一段と広い空間へ連れて行かれる。
そして目が暗闇に慣れたとき、目の前には先程彼を連行した虫人よりも二回りほど大きな個体が居ることに気付いた。
"それ"は黙してなにもしゃべらない。どうやら彼ら蟲人は音声による意思疎通手段を持たないらしい。
そのかわりに発達したのは、テレパス能力、そして香りによる情報伝達であった。
イメージによる一方的な説明いわく、少年は目の前の個体、いわやる女王蟻と交尾しなければならないらしい。
もちろん少年は嫌がるのだが、やがて漂ってきたフェロモンにより意思を奪われ、いつのまにか目の前の女王蟻が愛しくて愛しくてしようがなくなってしまったのだった。
少年を向いた側の女王蟻の外皮がミチミチと音を立てて開く。そこには、柔らかな双丘、なだらかな腹、そしてヒトの交接器。
……それはまるで、人間の前半分のような仕組みである。
偶然などではない。それはまさしく、女王蟻が少年の脳内から読み取った女性の肉体を真似たものだ。
その肉のクッションに体を預け、少年は一心に腰をふる。
もちろん少年にとっては初めての行為なのだが、彼女の肉体はそんなことを吹き飛ばし原始的な欲求を剥き出しにさせる極上のものだったのだ。
そして少年は女王蟻の胎内に精子をぶちまけ、”彼女”はその遺伝情報を取り込んだ卵を産み落としてゆく。
数日後。
ようやく少年らを救出にむかった人々が目にしたのは、女王と休みなく交わり続ける少年の姿と、早くも卵から孵った蟲娘たちだった。