おねショタ108式の1『未亡人と果物売りの少年』
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異世界。近世西洋に似た、とある大きくも小さくもない街でのお話。
果物売りの少年が、馴染みの女性のところへ林檎を売りにいく。
先日彼女の夫は亡くなったらしい。それ故に、彼がその家に行くのはやや久しぶりである。
いつもの癖で訪いの声もかけずに部屋の中へ入ると、そこには寂しさを一人慰める、未亡人となった女性の姿があった。
まだ初心《うぶ》なために、彼女の行為の意味はわからなかった。しかしなんとなく「居てよい雰囲気ではない」ことを悟った彼は、慌てて辞去しようとする。
しかし、彼女はそれを引き留める。
改めて彼に向かって、今自分がしていたこと、何故そんなことをしていたか、如何に自分が寂しいか。
そして、そんなことをしてしまう自分を卑下しつつ、少年にひと時でいいから”男”になってもらえるよう頼む。
少年は、先立たれた夫に少し似ていた。
背徳に塗れ、しかし、寂しさを忘れられた昼の事だった。
これはなんですか?
おねショタの『はなしの種』を108個書いてみようという企画です。
ファンタジー、現代、SFの三種に大別して更新されます。
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