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おねショタ108式の71『私がこんなコトをしたのはどう考えてもキミが(弟に似ているのが)悪い!』

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現代、どこにでもあるような地方都市でのはなし。

主人公は、(自称)喪女。
顔やスタイルは良くはないがけして悪くはない女性である。
しかし生来からの内気さとそれに反する謎のプライドの高さや趣味からくる珍奇な性格のせいで、高校時代からずっとぼっちで一度も彼氏が出来たことはない。
現在は、在宅でIT関係の仕事をしている。

仕事、ゲーム、仕事、ゲーム、ゲーム、仕事、仕事、仕事のスケジュールをこなした彼女は、久しぶりに太陽のもとへ出る。
今日発売の雑誌を買うためにコンビニに行くだけだったのだが、そこでみつけた一人の人物に釘付けになる。
それは、現在は自活して都会へ出ている弟の中学時代と瓜二つの少年だった。

大昔、互いに幼児だった頃は大変仲良しで大好きだった弟。
今は彼女がいるので、手が出せない弟。
かつての生意気そうな、しかし歳相応なあどけなさも残る、あの面立ち。
それが目の前にいる。
と、気付くと、既に彼女は鼻息も荒く少年を拉致していた。

「ぼ、ぼくちゃんかわいいかおしておまんなあ(可愛いので拉致してしまいました。テヘペロ)」
そんな妄言を吐いた彼女は、少年が何も言えない間にスルスルと衣服を脱ぎ捨て、小ぶりな胸もちょっと筋肉不足でタルンとしたお腹も妙に完璧な処理をされた股間もさらけ出してしまう。
うわ言のように呟く内容から弟に似ていることや純潔を捨てれば脱喪女に一歩近づけるということを察した大変聡明な少年は、初めて見る異性の裸に耐え切れず、そのまま女性と交わってしまう。
……いきなりで怖かったが、なんとなく彼にはわかったのだ。彼女が変人ではあっても悪人ではないことに。

そして女性は、根暗で友達がいなくて半ヒキ状態であることは変わらなかったが……大切な人が、一人できたのだった。


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むつぎはじめ
資料費(書籍購入、映像鑑賞、旅費)に使います。