獣機装着ズーティックギア【ティアラーの目覚め】
シュウジが開けた目の前には床。隣席だった青年が倒れている。
上京のため装甲列車で海沿いを往く午後、シュウジは微睡みながら春からの生活を想っていた。
――きっと、他の乗客も。
この惨劇の主……地球上全存在と相いれぬ者……”エネミー”が列車を蹂躙するまでは。
(ここは巣<コロニー>からは遠いはずだぞ)
だからこそ、列車が運行されていた。
(ニンゲン! 目を覚ませ!)
そんな曖昧なシュウジの思考に、突如、荒々しい声が響く。
(立て! 死にたくなければ!)
死。その言葉で彼の頭は一