戦略重視のゲームであるインペリアリスを少し読み解く
1月上旬と下旬で2ゲームほど遊べたので、ゲーム自体のレポートというよりは、インペリアリスというゲームが何を重視しているのかを他のレビューサイトとは異なる切り口で少し考察してみました。
インペリアリスは戦略を重視したゲーム
戦略は大筋のシナリオ、戦術はシナリオを実現するための方策
さてAoSでも戦略目標、戦術目標なるものが存在します。これらの違いは?と聞かれてとっさに答えられる人は日常的に使っている人だけでしょう。
ビジネスモデルで考えたときに、成したいことが目的、その目的達成のための中長期的な計画(シナリオ)が戦略、戦略を達成するための施策やタスクなどが戦術だと一般的に言われています。
では、インペリアリスに当てはめた際にどうなるでしょうか。
インペリアリスは戦略をかなり重視したゲームデザイン
普段遊んでいるAoSであればアビリティの流行り廃りを鑑みた上での強い武器を選択するのがベストで、それでも何かに特化しすぎないようにゲームもデザインされており、実際のゲーム自体はゲーム内の戦術を重視したものになっていると感じます。
ところが、インペリアリスでは大きく異なります。武器の特性を鑑みたデタッチメントの武器選択、フォーメーション内のモデル数やデタッチメント自体のモデル数によってゲーム内の判定値が変わってくるなど、ゲームをするための準備段階で考え、工夫できる要素が非常に多く、しかもそれらがとても重要なゲームデザインになっていることもあり、かなり戦略を重視していると見て良いように思います。
このゲームの一番面白いところであり、同時に難しい部分でもあります。
たぶんゲームの肝、歩兵
対歩兵が高ポイントになるほど難しくなっていく?
24年2月現在、入手が厳し目なアスタルテス側の歩兵達。彼らの増強は海外趣味人の間でも時々、ほんの少し話題になっていますがまだ下火のご様子。自分はゲームをしていて、歩兵の運用と対策について考察するのが一番むずかしいなと感じていました。
なんとなくポイントの高いヴィークルやナイト、タイタンなどの強力なユニットを入れればポンっと3,000ポイントに到達するじゃん!とか、アーミーが完成するなんて思うかもしれませんが、ゲーム内では全く強くもなく、勝てもしないであろう編成の1つかなと思っています。
歩兵は1モデルあたり7-8ポイントほど、一方タンクなどのヴィークルは50~80、ナイトあたりは200近くと、デカくなればデカくなるほど攻撃回数やモデル数は減少し、結局デカくなろうと対歩兵は1発1ダメージであることに変わりなく、対歩兵へのコスパはどんどん悪化していきます。
現在リリースされている戦車やタイタン類はこの傾向が特に強く、汎用的な運用を期待できる歩兵、ウォーカーであるドレッドノート、ヴァンガードのセンチネル、ポイント・ディフェンス兵装が充実しているヴィークル、航空機などが一定数必要な理由だと思います。
いくらアンチタンクの特性を備えた立派な主砲や副砲を持った戦車隊でも、たった30ポイントの4モデルの歩兵が確保している目標を奪いづらいのは皮肉ですね。
明確に役割が分けられているからこその戦略
結果、アンチタンクのついてない武装も物色することになる
戦車は高貫通の強力な武装で固めたらよし!!!という発想になれないのがこのゲームの面白いところです。
目的は勝利、そのための戦略として様々なシチュエーションに適応して戦闘する必要があり、対建物、対戦車、対歩兵、地対空、空対地のいずれにも適応した武器が揃っており、いずれも妥協できないのがこのゲームの編成時点での面白さ、奥深さでもあると自分は思っています。
皆さんも武器やデタッチメントの特性を紐解き戦略を立案し、柔軟な戦術を組み立ててみるのはいかがでしょうか?
以上、Maruがお送りいたしました。