Tour of Japan(UCI2.2) St.5
レース情報
距離 120.9km 順位 39位 総合 29位
出場メンバー
レイモンド・クレダー
ライアン・カバナ、ドリュー・モレ
孫崎大樹、宮崎泰史
レースレポート
今日はクイーンステージ前だが、実質今日もクイーンステージと言っても良いハードコース。
キナンはトマさんを失い、ドリューの1人エース状態。
対する、JCLやルージャイ、トレンガヌ、アスタナ等有力チームは2枚は揃えている状態。
後手を絶対に踏めない状況だ。
なので、逃げに泰史かライアンが必ず乗るようにし、僕とレイモンドでドリューのフォローをしていく。
リアルスタートから、JCLがコントロールの意思を見せる。
登りスタートだからか、なかなかアタックがかからない。
また、JCLが逃げを数名だけに絞るために良いペースで踏んでいる。
アスタナのアタックで2~3名抜け出す。
20秒差ほどでKOMを通過するタイミングで、ライアンがアタック。
かなりキレが良いアタックで2~3名抜け出す。
その後のアップダウン区間で、無理やり何名か抜け出し、集団が落ち着く。
15名の逃げグループができた。
僕は、このペースアップでの中切れや落車等のトラブル時にドリューのフォローができる位置にいた。
そのため、逃げの詳細を把握しきれていない。
ライアンが乗ったこと、JCLが誰も乗らず逃げを容認したことから、総合上位のキーマンは乗ってないことは伺える。
一応、この後の展開も考えるため、監督に補給ついでに相談しにいく。
また、逃げの要注意人物の確認もしておく。
監督から、
「マックスウォーカー(初日T.T勝った選手)、ニコラスヴィノクロフのアスタナ2名が乗っている」
と、教えてもらう。
この2人は総合上位で強い選手だ。
なので、現時点でライアンが総合バーチャルで2位。
キナンとしては狙い通りの最高の展開。
さらに、ルージャイもトレンガヌも警戒しているチームが乗っていないという最高のシチュエーション。
ライアンは昨年、このステージで逃げ切り、2位に入っている。
彼に託せる状況。
そのため、このままJCLにコントロールを任せる。
おそらく、ラスト3周辺りからタイム差を縮めていく。
その時に他チームの攻撃があるかもしれないので、その辺りでは僕を先頭にドリュー、泰史を登りで前に入れるように位置取ることを確認した。
補給を受け取り、チームメイトに渡しつつ、情報を共有。
レイモンドには、
「ラスト3周辺りのペースアップ前に僕らで前に位置取ろう」
と、伝える。
JCLのコントロールの元、坦々とレースは進む。
一定ペースのため、集団はそこまでキツくない。
リラックスしながら、進む。
残り5周を切った辺りで、逃げとは2分30秒に開く。
それを嫌ってか、焦ってか、その登りでルージャイのペースアップ。
少しペースアップしたが、すぐにJCLに変わり、ペースが戻る。
残り4周。
逃げからゴソッとこぼれくる選手を吸収。
逃げはアスタナ2人、ライアン、ブリッジレーン、セントパイランの5人になる。
アスタナが複数名乗せているので、最後の局面では不利になるかもしれないが、ライアンに託すしかない。
残り3周。
タイム差は1分40秒ほど。
スプリンターのマルチェッリ選手と石橋さんで引いていたが、ペースが上がり始める。
そろそろ本格的に捕まえる動きだろう。
この辺りから下りきった後に、ドリューと泰史を引き連れ、前に上がっていく。
残り2周。
この登りもペースが先ほどより上がる。
マルチェッリ選手が引ききり離脱。
石橋さんが引き続ける。
大喜さんや小石さんも加わっているみたいだ。
集団からこぼれる選手が出始め、レイモンドもいなくなっていた。
前で入っていたため、ドリュー、泰史は前でクリア。
僕も下がりつつ、集団の最後で登りをクリアする。
残り1周。
タイム差は43秒。
絶妙なタイム差。
だが、この登りもペースが上がるだろうから、捕まるだろう。
案の定、ペースが上がる。
前で入り、僕は下がりながらなんとか耐える。
所々、中切れを埋めながらもなんとか食らいつく。
ドリューと泰史は良い位置。
僕は少し車間があき、斜行してきた選手にハスりかけ、さらに差が開く。
埋めきる力がなく、ズルズルと後退。
わんちゃん、残れたらスプリントもあるかと思い、粘っていたがダメだった。
そこからは無理に踏まず、明日以降に仕事や自分のチャンスを掴みに行くために脚を休めた。
前では、逃げがKOMで捕まり、そこからアタック合戦だったようで、危ないものにはドリューが乗ったりして、対応していたみたいだ。
最後に逃げていたニコラスが抜け出し独走勝利。
さらに3名の追走に入っていた、アスタナの選手が2位でワンツー。
その後、集団の頭をライアンが取り5位。
ドリューも泰史も無事にタイム差無しで集団ゴール。
ライアンが本当に頼りになる走りをしてくれた。
もちろん、個人的には自分も逃げにチャレンジしたかったが、今日の走りをしてくれると、アシストに回るのも悪くない。
トマさんを失い、大きな損失だが、引き続き最高のチームワークでうまくレースを進めている。
明日はクイーンステージ。
皆で頂点を目指す。