~幼少期~幸せだったはず
※私の幼少期です。一人称がボクの理由や記憶が薄い理由等大人時代にわかります。
当時の家族構成は、父、母、1つ年上の姉、5個下の生後間も無い弟です。
ボクの記憶があるのは年長の頃。
その前の記憶は一つとして残っていない。
誰と住んでたか、何をしていたか
どうしても思い出せない
うっすらと記憶が蘇るのは真っ暗なせまい空間で
ごめんなさいと泣いている自分。
でも自分が体験した事なのか夢なのか分からない
だから何一つ残ってない事にした。
優しくて面白くて怖いパパ
ママはお腹が大きくて、姉弟がいるって知った
この当たりの記憶もすごく薄い。
はっきり分かるのは
夜中、両親の部屋が明るくて
ママが泣いてる声がする
心配なボクは扉に手をかけて「ママ…」って声をかけようとした
後ろから寝てたはずのお姉ちゃんに「ダメ」と止められて。
真顔で、それ以上の事は何も言わずボクを見てるお姉ちゃんが不思議で
なんとなく見ちゃいけないんだと納得してベッドに戻った。
ママの泣いてる声が辛くて、聞いていたくなくて布団を被って
「なんでママの所に行っちゃダメなの。お姉ちゃんは心配じゃないの?ママ泣いてるよ」って
何度も何度も問いかけた。
「大丈夫だから、寝な」
それだけ言ってそっぽ向いて寝たお姉ちゃん。
ボクは仕方なく、明日ママにどうしたのって聞こうって決めて寝た。
でも聞けなかった
夜中パパに何か言われながら泣いていたはずなのに
笑顔のママがいたから
何も聞けなかったし、聞かなくて良いと思った
それからはママが泣いていても気にしなくなった
あの時の事、今でも覚えてる
そういう事だったんだなって。
だけど、ある日『ダンッ!!』と、大きい音で目が覚めた
パパが立っててママが倒れてる。
2人とも何も発さない
お姉ちゃんがママに駆け寄ってパパを睨んで
ボクは「どうしたの」しか言えなかった
無言のままパパは仕事だと言っていなくなった
ママはいつもとは違う笑顔で
「大丈夫だよ」
まだ幼かったボク
ママの大丈夫に気づけなかった
翌日、まだ少し暗い朝方に
ママに起こされた。
パジャマのまま上着を着せられ「行くよ、静かにね」
何がなんだか分からない
お姉ちゃんもまだ産まれたばかりの弟もいる
ボクは何も気づけないまま
言われるがままついて行った
この日から家族が崩れるとも知らずに。