好きなラジオが突然終わってしまった(フワちゃん失言問題に思うこと)
フワちゃんがやらかした。
8月4日にXでやす子さんのポストを引用リポストし、例の失言。おそらく裏アカウントで投稿しようとした内容を誤爆したのだろう。
1週間も経たないうちの昨日8月9日に、フワちゃんのオールナイトニッポン0の終了が発表されていた。
最近の世間の炎上は凄まじいスピードで燃え盛りはするが、ほとぼりが冷めるのも早い。みんな情報量の海に溺れているのだ。特にネット民は。Mrs.GREENAPPLE のコロンブス騒動からまだ2ヶ月も経ってない。
だから1,2週間はお休みするかもしれないが、そのうち再開するだろう。
偶然昨日はフワちゃんANN0のリスナーの子と飲んでいたので、そんな見解を話していた。
だから、飲み会終わりにラジオ終了の報道を見て愕然とした。
もともと今回の騒動について思うところがめちゃくちゃあったのでnoteは書く予定だったけど、毎週聴いてるラジオがこんな形で爆散した後に書くのだと多分中身は変わる。
私はフワちゃんのラジオはx時代の2回目から聴いて毎週欠かさず聴いていた。
正直、ラジオを聴くまでメディアでのフワちゃんにはそんな注目したことがなかった。
奇抜な格好、底抜けに明るい、先輩にもタメ口でウザ絡み、でも憎めなくて気に入られている、謎にカリスマ視されてるキワモノ枠の人くらいにラジオを聴くまで思っていた。
ラジオ最初期に伊集院光さんと「揉めた」ような件があったが、その時の返しが聡明だけどユーモアにも富んでた記憶があって、以来聴くようになった。
フワちゃんのラジオはとにかく退屈しないラジオだった。曲のコーナーもカラオケしながらオープニングトークのリアクションメールを紹介するなど、他のラジオと違う楽しさがあった。
隠しきれてないお笑いマニア要素、ネット界隈のネタ、独特のワードセンスも好きだった。意外と俯瞰から物事を見てんなとか。
ゲスト回ではバラエティの深い話をしてみたり、日頃の「お病気」を指原さんなどに痛快に突っ込まれてみたり。
オードリーや佐久間さんのラジオも好きだが、その安定感に満ちた感じとは違う予測不能な面白さ、ある意味一番楽しみにしてた番組だった。
リトルトゥースはもはや人口が多いので、周りで見つけても突き抜けた親近感は湧かなくなってきたが、フワギャルは希少なので身近でリスナーを見つけると一番嬉しいラジオだった。
なんというかそれくらいあそこは独特な世界だったのだ。よくラジオは内輪ノリというが、その点はかなり強かったと思う。
多分他メディアしか見てない人とラジオリスナーでフワちゃんのイメージは全く異なるような気がしている。
賛否両論あれど天真爛漫底抜け明るいフワちゃん、というイメージを持っていると今回の騒動は本当にショッキングだっただろう。
ただ少なくとも騒動が起こった直後に私は「まあ、いつ起こってもおかしくないことではあったよな」と思った。
ラジオのフワちゃんは好感度などまるで気にしていないのか、普通に自らのわがままや遅刻癖(お病気)で周りに迷惑を掛けた話や呆れられた話、街中で絶対に一般人に声を掛けられたくない話、めんどいなって思った人の話などあけすけにしていたし、「レポ禁」と称してかなりぶっちゃけた話もしてくれてた。
そのことがリスナーを信用して話してくれてる気もしたし、その危うさを楽しんでもいた。
ロケで出会っためんどくさそうな唐揚げ研究家とLINEを絶対に交換したくなかった話とか、触れ合った学生の民度が低いと感じた大学を「なるほど大学」と称してた話とか、笑いながら聴きはしたけど、大概なことは言っている。
言動や行動、矛盾をリスナーに突っ込まれまくったり、フィードバックのコーナーでおもちゃにされるのが面白さでもあったし、あの場でしか見れない「フワ」に会える場所だった。
裏アカがある話も普通にラジオでしていた。
また「殺すぞ」や「死ね」がワードの引き出しの比較的上の方にあるな、とも感じてはいた。
結果最終回となった回の1つ前、上海で中国人にブチギレた話をしてる時も「死ねって中国語でなんて言うんですかー」と周りのスタッフに言いなだめられていた、と言ってた。
今回の騒動のタチが悪い点は、どの部分に謝れば解決したことになるのかよくわからない点だ。
あの行為自体擁護はできないもの、というのはその通りだ。
やす子さんはどう考えても不当に傷付けられている。しかも文面がいじめっ子中学生レベルの程度が低いものだった、というのも苦しい。
一方で人間誰しも日頃表に出せない本音というものはある。
苦手な人がいる、ソリが合わない人がいる、悪口を言いたい人がいる。それを気心知れた仲間内で共有する、飲み会のつまみにして盛り上がる、そのこと自体は多くの人がやっている。
私だって会社のチャットで、誤爆したら終わりのような発言を全然している。
ネット上にはあのレベルのアンチコメントいくらだってある。おそらく騒動前のフワちゃんにも相当言われているであろう悪口。
だから「フワちゃんが本心ではああ思ってしまったこと自体が罪なのか」、「裏アカを持っていたことが罪なのか」、「陰口行為そのもの芸能人たるものすべきではないのか」、「素性を隠そうがネットでアンチコメントをすることがダメなのか」、なんとも罪の所在が分かりにくい。
ラジオリスナー以外のフワちゃんに対するイメージを知らないけど、ご陽気フワちゃんが裏アカを持ってること自体ショッキングなんだろうか。アンミカさんが裏アカでネガティブ発言しまくってるくらいの感じではあるんだろうか。
やす子さんに直接謝る、と投稿した時には、そうすべきではないという軍勢とインプレゾンビが群がった。
やす子さん本人に謝ることが不正解だとしたら、じゃあ一体フワちゃんは何に謝れば罪を償えるのだろう。
あんなことを言うのは、大して怒ってもないのに許す気がない奴らなのだ。数日後には別のターゲットに移っている。
最近の世の中の本当に嫌な点は、一度魔女だと決まると徹底的にやり抜く点だ。
その人の元々嫌いだったところ、今とは価値観が違う時代の過激な言動や行動を持ち出す。
そして自らの経験に勝手に重ねて話を大きくする。今回のケースだとやす子さんのことを勝手に学生時代の己に重ねてる投稿を何件見たことか。
いじめや無視、ハブりのきっかけって大体そんなのじゃなかったっけ?
決定打となる出来事があった後に、それを補うようにみんなでこれまでの穴を埋めストーリーを立てていく。当人たちの中で、いじめをやっていい綺麗かつ正当な理由が完成する。
相手に落ち度があれば大勢で何を言ったっていい。その構図そのものがいじめと大差ないのに、なぜその感覚は持てないのだろう。
特にコロナ禍が社会を捻じ曲げたようにも思う。
ノーマスクで行動する人や緊急事態宣言下なのに飲み会や旅行する人などに対し、圧倒的に間違いのない指摘を振りかざすことの快楽を覚えてしまった人が多いように映る。
以前そんな流れはあったけど、世間(とされるもの)の怒りの沸点が下がってる気がしていて。
エビデンスの信憑性もままならないまま、とにかく正義だけをぶん回す。
今回のフワちゃん騒動はそんな時代を象徴する出来事の一つに映る。
ほんの少しの不手際で人生が崖っぷちになっている。ラジオの発作回を想像するとこの1週間本人がどう過ごしたのか心配になる。
いつどんな感じでラジオが復活するのだろう、と思ってたのにまさかこんなスピード感で終了まで決定するなど思わなかった。
失言で終わるのは不謹慎だけど、あのラジオの性質上らしくはあるのか。
パーソナリティも1人だから説教回にするわけにもいかない、確かにどうカバーするのか、リスナーはどう触れていいのか、今後は横柄な話もしにくいし難しいだろうなと思ったけど、それでもまさか終わるとは。
私はラジオのフワに会えなくなるのはとても寂しい。あそこでしか見せていない部分が多かったので、本人の中でもラジオがなくなることは相当なショックではないかと思う。
今年度から以前から決めていた海外移住(ただひ2週に1度日本に帰ってくる)だったし、もう平均的な人の一生分ぐらい稼いでるとは思うし、別にもう凄まじい批判を浴びながら日本のメディアに出たい貪欲さはないかもしれない。そもそも出だしは新進気鋭Youtuber枠で出てたし。
そう言った意味ではこのまま海外に拠点を移す、ということはあり得そうだと思う。
だけどなあ、今回の件に関してフワギャルだけに伝えたいメッセージがあるんじゃないかなと期待してしまう。
けどそれを伝えるプラットフォームがそもそもなかった(騒動直後の放送はネットニュースの記者やらヤフコメ民が聴くから)し、番組の終了により完全に消されてしまったのがとにかく悲しいのだ。
失言一つで大犯罪をした並の扱いになってるの、確か良くないことはした、したんだけどほんのちょっとしたケアレスミスであることは、少し想像すれば分かる。
やす子さん本人や事務所に丁寧にお詫びをするのじゃだめか?
やす子さんが許さなかったとして、それが引き続き世間みんなで怒らなきゃいけない理由になるかね?こんな世の中あまりに不寛容でみんな生きにくくないかね?と思う。